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放射線治療にたずさわっている赤ワインが好きな町医者です。緩和医療や在宅医療、統合医療にも関心があります。仕事上の、医療関係の、趣味や運動の、その他もろもろの随想を不定期に更新する予定です。
 今日午後、担がんで在宅療養中の利用者さんに対する緩和照射適否のお問い合わせで、在宅緩和ケアをご専門にされている近隣の医院の先生方がわざわざうちの外来まで直接足を運んでくださいました。


 他院からの放射線治療依頼では、依頼元の先生の紹介状を持って患者さんあるいはご家族が外来受診されるケースがほとんどです。

 うちのシステム上、地域医療連携室(という他院からの診察予約受付窓口的部署)を通してFAX受診予約をして、当日受診いただく形が基本となっています。よくご紹介いただく他院の先生方にはなるべく紹介状を事前にいただけるよう打診させていただいてはいるのですが、ご依頼元の諸事情でこちらの希望通りにならないことも時にあり。
 初診時に紹介状を見て診察というのは、放射線治療を標榜している診療科とはいえどもなかなか大変です。めったに経験しない病気の場合は特に事前調査(過去の報告確認とか)をしないといけませんし、安易なご説明もできません。
 
 「〇×癌です。照射よろしく」的な簡潔紹介状だけで遠方から受診される方も時にあります。
 もちろん不明点があった場合などは私たちも適宜お電話でご依頼内容の確認はいたします。しかし、その日に担当医がご不在の場合は、患者さんに対してこちら側の放射線治療方針の説明すらできず、後日再受診とせざるを得ないこともあります。患者さんのせいではないのですが、二度手間をおかけし…
 今日の午前中にもそんな感じのケースがあったようでした(私は病棟担当で詳細は不明でしたが)。

 きちんとした紹介状であっても、限られた文字数の書類だけではなかなかつかみきれない病状や双方の方針というものがあり、やっぱり直接面と向かって相談したほうが有意義な方針検討ができる気がします。普通に電話対応でも悪くはないのですが、がんの診療は音声だけでは物足りないところも少なからずあり。

 先生が直接患者さんとご訪問いただくというのは現実問題としてほぼ困難です。なので、うちにも他施設の医療者間のネットカンファレンスが気軽にできる環境があるともっと便利なんだけどな~と前から思ったりもしてました。コンピュータが得意な先生方と既存のPCを使っての(安上がりな)システム構築は技術的には今でも可能。でも、思うだけではだめですね。できる範囲でまずは行動を、と(やっぱり)思うこの頃です。
 実は先日、ある大学の先生からそんなネットワーク構築に関連した具体的な打診がありました。まだ、お話だけの段階なのですが、いずれ良き形に具体化したら呟こうかな…

 まあぶっちゃけ、お互いの顔が見えないほうがちょっと幸せな時もありますが。
表現が丁寧(≒大人)とは自分の口からお世辞にも言えない私としては特に…すみません


 話を戻しますが、同じ市内とはいえ医院の先生方はさすが在宅ご専門の先生方のフットワーク!本日はいろいろなお話を伺うことができ、ありがとうございました。

 在宅療養されているがん患者さんに、生活の質を改善する心身ともに負担のかからない緩和照射がご提供できるような環境整備も今の私の職場でめざす診療体制の一つです。言う(書く)は易しですが…


 今年初、久しぶりの投稿になりました…もっと気楽に(無責任という意味でなく)続けていこうとは思っております。

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【2014/01/30 00:34】 | 医療全般
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