先週末、パシフィコ横浜で開催された第20回日本緩和医療学会学術大会に参加しました。私は今年で5年連続5回目の参加、発表は4年連続(でも論文化は未…大いなる課題)。2年連続で腫瘍からの出血に対する緩和的放射線治療についてまとめました。
今回の学会で特筆すべきは、ついに発表演題やスケジュールがオンラインで確認できる電子抄録アプリやWeb版が採用され、重く分厚い冊子のプログラム集を持ち歩かなくてすむようになったこと。とても有り難かったです。ちなみにこれ、放射線科の学会でも2年くらい前から採用されています。
写真の小冊子(右下のやつ)も持ち歩きましたけど…紙は紙で便利 (笑)

また、アプリからネット上で各演題に対するコメントや質問ができるようにもなりました。これもとても良いと思いました。今回も全部で1000くらいある一般演題は全部ポスターであるうえ、実際の発表時間が同じ時間帯に集中しているので、自分自身がポスター発表しなければならないと疑問を感じ内容が変だと思われる演題であってもこれまでは質問する機会すらありませんでした。
しかし、このネットコメントシステムではそういった演題に対してもいろいろなやりとりが可能となります。皆さん使い慣れていないからか、座長ですらそのシステムを利用していないケースが少なくなかったようですし、またせっかく私がコメントした内容に対する回答も演者からいまだにありません(ということは永久にない…?)。
でも、慣れればとても便利で有用です。学会にわざわざ行かなくても済むくらいに…。是非これは来年以降も続けていただきたいものです。
緩和的放射線治療の発表数は例年通りでそんなに多くはありませんでしたが、今年気になったのは放射線治療に関する晩期有害事象(いわゆる後遺症)の発表がいくつかあったことでした。放射線脊髄症とか重粒子線治療後の末梢神経障害とか全脳照射後の認知症とか。どれも放射線治療の設定に改善の余地がありそうな治療内容でしたが、他科の先生方から負の側面の発表がなされるのもある意味大事だと思います。(前述ですが)Web質疑応答ができるようになればさらに良くなると思われ…。
もちろん他の緩和医療関連のいろいろなご講演も拝聴しましたが、個人的には(緩和医療とは直接の関係はないかもしれないのですが)吉備国際大学の京極真先生による「建設的に対立するには、どうしたらよいか?信念対立解明アプローチ入門」という招聘講演が一番関心を惹きました。数年前から一部で注目を浴びている領域のようですが、実は今回拝聴するまで私はその内容をよく知りませんでした。
前にも書きましたが、がん診療において放射線腫瘍医はどうしても他科の医療者と主張対立することが少なくありません。対立しない先生は基本「イエスマン=あてや」です。同業者には(利用しやすい)良いお医者さんかもしれませんが、患者さんにとって本質的に良いお医者かというと…。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-107.html
この手法は対立を実践的に解明し問題解消につなげ、うまくゆけば解決もできるアプローチとのこと。詳細記載は省きますが、構造構成主義、信念対立解明アプローチという最近の哲学論、個人的に要チェックです!
おもわず重い書籍も買っちゃいました…分厚い抄録が無かったし。
しかし今年も、あのパシフィコ横浜ですら会場通路に溢れる(女性優位の)多数の参加者でした。私はお友達と外で定例ランチでしたが、ランチョンセミナーもどこも満員だったみたいです。正直、(女性ばかりの)人混みは苦手です。
来年は京都で開催、個人的には新しい職場の緩和的陽子線治療の報告ができればいいなと勝手に思っています…約300万円の治療費、賛否両論出そうですが。
今回の学会で特筆すべきは、ついに発表演題やスケジュールがオンラインで確認できる電子抄録アプリやWeb版が採用され、重く分厚い冊子のプログラム集を持ち歩かなくてすむようになったこと。とても有り難かったです。ちなみにこれ、放射線科の学会でも2年くらい前から採用されています。
写真の小冊子(右下のやつ)も持ち歩きましたけど…紙は紙で便利 (笑)

また、アプリからネット上で各演題に対するコメントや質問ができるようにもなりました。これもとても良いと思いました。今回も全部で1000くらいある一般演題は全部ポスターであるうえ、実際の発表時間が同じ時間帯に集中しているので、自分自身がポスター発表しなければならないと疑問を感じ内容が変だと思われる演題であってもこれまでは質問する機会すらありませんでした。
しかし、このネットコメントシステムではそういった演題に対してもいろいろなやりとりが可能となります。皆さん使い慣れていないからか、座長ですらそのシステムを利用していないケースが少なくなかったようですし、またせっかく私がコメントした内容に対する回答も演者からいまだにありません(ということは永久にない…?)。
でも、慣れればとても便利で有用です。学会にわざわざ行かなくても済むくらいに…。是非これは来年以降も続けていただきたいものです。
緩和的放射線治療の発表数は例年通りでそんなに多くはありませんでしたが、今年気になったのは放射線治療に関する晩期有害事象(いわゆる後遺症)の発表がいくつかあったことでした。放射線脊髄症とか重粒子線治療後の末梢神経障害とか全脳照射後の認知症とか。どれも放射線治療の設定に改善の余地がありそうな治療内容でしたが、他科の先生方から負の側面の発表がなされるのもある意味大事だと思います。(前述ですが)Web質疑応答ができるようになればさらに良くなると思われ…。
もちろん他の緩和医療関連のいろいろなご講演も拝聴しましたが、個人的には(緩和医療とは直接の関係はないかもしれないのですが)吉備国際大学の京極真先生による「建設的に対立するには、どうしたらよいか?信念対立解明アプローチ入門」という招聘講演が一番関心を惹きました。数年前から一部で注目を浴びている領域のようですが、実は今回拝聴するまで私はその内容をよく知りませんでした。
前にも書きましたが、がん診療において放射線腫瘍医はどうしても他科の医療者と主張対立することが少なくありません。対立しない先生は基本「イエスマン=あてや」です。同業者には(利用しやすい)良いお医者さんかもしれませんが、患者さんにとって本質的に良いお医者かというと…。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-107.html
この手法は対立を実践的に解明し問題解消につなげ、うまくゆけば解決もできるアプローチとのこと。詳細記載は省きますが、構造構成主義、信念対立解明アプローチという最近の哲学論、個人的に要チェックです!
おもわず重い書籍も買っちゃいました…分厚い抄録が無かったし。
しかし今年も、あのパシフィコ横浜ですら会場通路に溢れる(女性優位の)多数の参加者でした。私はお友達と外で定例ランチでしたが、ランチョンセミナーもどこも満員だったみたいです。正直、(女性ばかりの)人混みは苦手です。
来年は京都で開催、個人的には新しい職場の緩和的陽子線治療の報告ができればいいなと勝手に思っています…約300万円の治療費、賛否両論出そうですが。
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先々月(4月24日配信)の現代ビジネスに『名医たちが涙する「忘れられない患者たち」(上)「彼らに僕は大事なことを教わりました」 人気シリーズ「日本が誇るトップドクターが明かす』という記事が掲載されていました。
冒頭を以下に引用いたします。
『どんな医者にも、心に残る患者がいる。治療がうまくいった患者ではない。病と闘い、自らの命と引き換えに大切なことを教えてくれた名もなき患者たち―彼らの生き様が、日本を担う名医を育てた。』
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150424-00043008-gendaibiz-bus_all&p=1
その記事を読んだ時に自分のこともブログに残そうと思ったのですが、うっかり先送りしてしまっていました。
実は今日から、学会参加と某施設さん見学を兼ねて九州出張に来ています。大学卒業旅行以来、四半世紀ぶりに訪れた街でした。
ぶらっと散歩していたら、私が研修医をしていた地域に由来したお店の名前が目に入り、以前のことを思い出しました。美味しいものがたくさんある街ですが、明日は朝からいろいろあるので早めにホテルに戻ってこれを書いています。
私にとっても忘れられない患者さんはたくさんいますが、四半世紀前に医者になりたての時に担当させていただいた患者さんたちからは本当にいろいろなことを学ばせていただきました。
内科研修医を始めた月に、不明熱と前胸部痛で入院した地元の料亭のおばあさんを、いきなり一人主治医として担当させていただきました。そういうスタンスの地方病院でした。今なら許容され難いかもしれません。
ちなみに、私は放射線科になる前に3年ほど内科医をしてました。
医学生時代(も?)本当に不勉強だった私の問題もあってなかなか診断がつかないまま、悪性リンパ腫疑いで抗がん剤治療が始まりました。
高齢ということもあり、減量減薬した抗がん剤で半年以上一進一退の末、だんだん病状が悪化してしまいました。コンビニすらない田舎ということもあり医学情報を調べるすべもなかなかなく…そもそも調べ方すらよく知らず…。今の私ならもう少し違った経過をたどったのかもしれません。
もちろん、博学な副院長先生をはじめとする内科の諸先輩方にいろいろ尋ね、週1日お手伝いに来てくださった大学の血液内科の先生方にもご助言いただいてましたが。
見るからに頼りなさそうであったろうペーペー研修医の私に対し「先生に任せるから」と言い続けてくださった肝っ玉おばあさんでした。周りの方々のお話を伺うと堅物頑固で有名だったようですが、私には気さくに話をしてくれました。
「退院したら一緒に食べに行きましょう」と話していましたが、結局叶いませんでした。
私が医者になって初めて患者さんのご自宅でご焼香をさせていただいた方でした。本当は全員にそうすべきなのでしょうが、ごめんなさい。
人の名前をなかなか思い出せない申し訳ない私なのですが、その方の名前(マサさん)は今でもよく覚えています。私は雑誌に掲載されるような名医ではありませんが、マサさんのおかげで今があると思っています。
改めてご冥福をお祈り申し上げます。ありがとうございました。
そして、当時の私にいろいろ教えてくださった副院長先生も最初に上司だった先生も、最近お亡くなりになってしまいました。
ご冥福をお祈り申し上げます。ありがとうございました。
四半世紀…長かったようなあっという間だったような。

冒頭を以下に引用いたします。
『どんな医者にも、心に残る患者がいる。治療がうまくいった患者ではない。病と闘い、自らの命と引き換えに大切なことを教えてくれた名もなき患者たち―彼らの生き様が、日本を担う名医を育てた。』
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20150424-00043008-gendaibiz-bus_all&p=1
その記事を読んだ時に自分のこともブログに残そうと思ったのですが、うっかり先送りしてしまっていました。
実は今日から、学会参加と某施設さん見学を兼ねて九州出張に来ています。大学卒業旅行以来、四半世紀ぶりに訪れた街でした。
ぶらっと散歩していたら、私が研修医をしていた地域に由来したお店の名前が目に入り、以前のことを思い出しました。美味しいものがたくさんある街ですが、明日は朝からいろいろあるので早めにホテルに戻ってこれを書いています。
私にとっても忘れられない患者さんはたくさんいますが、四半世紀前に医者になりたての時に担当させていただいた患者さんたちからは本当にいろいろなことを学ばせていただきました。
内科研修医を始めた月に、不明熱と前胸部痛で入院した地元の料亭のおばあさんを、いきなり一人主治医として担当させていただきました。そういうスタンスの地方病院でした。今なら許容され難いかもしれません。
ちなみに、私は放射線科になる前に3年ほど内科医をしてました。
医学生時代(も?)本当に不勉強だった私の問題もあってなかなか診断がつかないまま、悪性リンパ腫疑いで抗がん剤治療が始まりました。
高齢ということもあり、減量減薬した抗がん剤で半年以上一進一退の末、だんだん病状が悪化してしまいました。コンビニすらない田舎ということもあり医学情報を調べるすべもなかなかなく…そもそも調べ方すらよく知らず…。今の私ならもう少し違った経過をたどったのかもしれません。
もちろん、博学な副院長先生をはじめとする内科の諸先輩方にいろいろ尋ね、週1日お手伝いに来てくださった大学の血液内科の先生方にもご助言いただいてましたが。
見るからに頼りなさそうであったろうペーペー研修医の私に対し「先生に任せるから」と言い続けてくださった肝っ玉おばあさんでした。周りの方々のお話を伺うと堅物頑固で有名だったようですが、私には気さくに話をしてくれました。
「退院したら一緒に食べに行きましょう」と話していましたが、結局叶いませんでした。
私が医者になって初めて患者さんのご自宅でご焼香をさせていただいた方でした。本当は全員にそうすべきなのでしょうが、ごめんなさい。
人の名前をなかなか思い出せない申し訳ない私なのですが、その方の名前(マサさん)は今でもよく覚えています。私は雑誌に掲載されるような名医ではありませんが、マサさんのおかげで今があると思っています。
改めてご冥福をお祈り申し上げます。ありがとうございました。
そして、当時の私にいろいろ教えてくださった副院長先生も最初に上司だった先生も、最近お亡くなりになってしまいました。
ご冥福をお祈り申し上げます。ありがとうございました。
四半世紀…長かったようなあっという間だったような。

エビチリが大好きだった〇さんのその後なのですが、残念ながらうちの科に入院したまま緩和ケア病棟へ転科となってしまいました。
お顔を拝見しようと遊びに…いや、緩和的放射線治療後経過観察のため病室まで(無料)往診しました。
さらにやつれてしまった○さん。(緩和ケア病棟でも食は進んでなかったですし、こちらからは言い出しにくかったのですが)〇さんから口火を切っていただき、すぐにエビチリ話となりました。緩和ケア病棟でもやっぱり食べておられました!
しばしエビチリ歓談後、「〇さん、エビチリの他に食べてみたいものってないですか?」とお尋ねしてみました。
すると〇さん、「☓市立病院の向いにあるお店のラーメン」と即答。
「私、そんなにラーメン屋さんは詳しくなくって、その辺だと△□ってお店しか知らないんですよね~」
〇さん、また満面の笑みで「そう、そこのスーラータンメンが食べたい!」と。
そのラーメン屋さん、地元の人気店でした。翌日のお尻がかなり気になるエンドレスまで辛さいろいろなスーラータンメンが有名で、非常勤支援に来る大学病院の先生方も大ファンが少なくなく、お昼休みなどによく立ち寄っていたようです。
大学病院時代の私の元上司(いわゆる教授)も「△□のスーラータンメンって美味いよな~」とちょくちょくおっしゃっていました。遠く県外でしたが(笑)
〇さんから「先生、退院したら一緒に行きましょう!」とお誘いを受けました(病院からだと30分以上かかるので出前だと麺が延びきっちゃう…)。
「いいですね~。ぜひ行きましょう!」と私もお返事し、(診察するのをすっかり忘れて)その日は退室しました。
入院すると飲食面でもいろいろな制約がありますよね(私が書くのもなんですが)。
気がるに病室へ出前など頼めないし、病院食だって指定されたものが出てくるし。もちろん病状に応じて食べやすい食材が出たり、なるべく希望に合わせた献立に変更したりもするわけですが…。
病院食も、栄養管理上なのかコスト面もあるのか、牛乳が良く出る病院って少なくないような気がします。和食中心の夕飯に牛乳がついてくると、元気な私でも「う~ん…」って気分になります。
どうせなら代わりに小さな缶ビールだとすごく嬉しいのになぁって私なら思います。小さな牛乳パックくらいのビール量なら(普通は)酔ってくだをまくことはまずないでしょうし。
もっとも、私たち医者が検食する場合は、業務中なのでアルコール禁なわけですが。
でも、私が医者になりたてのその昔は、宿直時に医局でビール片手に夕食を食べていた先輩医師もたま~にいました。古き(良き?)時代でした。
大勢の方との「共同生活」だから止むなしの面もあるのですが、ぶっちゃけ晩酌くらいのお酒だって少しくらいならOKじゃないかと個人的には思っています。病気が治って(あるいは落ち着いて)また自宅で飲める方ならまだしも、余命限られた入院生活を余儀なくされた方々にとっては特に。
飲酒に関しては病院内の厳しいローカルルールが立ちはだかります。でも、一部の緩和ケア病棟ではOKらしいって噂を聞くこともあります。病院や病棟によってローカルルールが違うっていうのもなんか変ですが…
以前、医者が入院中の患者さんにお酒を「処方」できるという内容のブログを書いたことがあります。「日本薬局方 ぶどう酒」というものがあるそうです(うちの病院は私が着任する前に削除されてしまいましたが…)。
処方していいくらいだから法的に「入院中は飲酒禁止」というのは無いはずです(たぶん…適度な量なら)。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
少し話が脱線しました。
○さん、エビチリスーラータンメン談話の数日後から腸閉塞を発症し、ずっと絶食状態になってしまいました。緩和的放射線治療でも効果が期待できないそうにない病状でした。その後も徐々に状態が悪化し、残念ながら数週後に帰らぬ人となってしまいました。
スーラータンメンの約束は果たせませんでした。残念です。
この場をお借りして、○さんのお悔やみを申し上げます。
PS:ごく最近のことですが、そのラーメン屋さんも閉店してしまいました。後継者がいなかったそうです。
地元の名店がまた一つ消滅しました。残念です。

お顔を拝見しようと遊びに…いや、緩和的放射線治療後経過観察のため病室まで(無料)往診しました。
さらにやつれてしまった○さん。(緩和ケア病棟でも食は進んでなかったですし、こちらからは言い出しにくかったのですが)〇さんから口火を切っていただき、すぐにエビチリ話となりました。緩和ケア病棟でもやっぱり食べておられました!
しばしエビチリ歓談後、「〇さん、エビチリの他に食べてみたいものってないですか?」とお尋ねしてみました。
すると〇さん、「☓市立病院の向いにあるお店のラーメン」と即答。
「私、そんなにラーメン屋さんは詳しくなくって、その辺だと△□ってお店しか知らないんですよね~」
〇さん、また満面の笑みで「そう、そこのスーラータンメンが食べたい!」と。
そのラーメン屋さん、地元の人気店でした。翌日のお尻がかなり気になるエンドレスまで辛さいろいろなスーラータンメンが有名で、非常勤支援に来る大学病院の先生方も大ファンが少なくなく、お昼休みなどによく立ち寄っていたようです。
大学病院時代の私の元上司(いわゆる教授)も「△□のスーラータンメンって美味いよな~」とちょくちょくおっしゃっていました。遠く県外でしたが(笑)
〇さんから「先生、退院したら一緒に行きましょう!」とお誘いを受けました(病院からだと30分以上かかるので出前だと麺が延びきっちゃう…)。
「いいですね~。ぜひ行きましょう!」と私もお返事し、(診察するのをすっかり忘れて)その日は退室しました。
入院すると飲食面でもいろいろな制約がありますよね(私が書くのもなんですが)。
気がるに病室へ出前など頼めないし、病院食だって指定されたものが出てくるし。もちろん病状に応じて食べやすい食材が出たり、なるべく希望に合わせた献立に変更したりもするわけですが…。
病院食も、栄養管理上なのかコスト面もあるのか、牛乳が良く出る病院って少なくないような気がします。和食中心の夕飯に牛乳がついてくると、元気な私でも「う~ん…」って気分になります。
どうせなら代わりに小さな缶ビールだとすごく嬉しいのになぁって私なら思います。小さな牛乳パックくらいのビール量なら(普通は)酔ってくだをまくことはまずないでしょうし。
もっとも、私たち医者が検食する場合は、業務中なのでアルコール禁なわけですが。
でも、私が医者になりたてのその昔は、宿直時に医局でビール片手に夕食を食べていた先輩医師もたま~にいました。古き(良き?)時代でした。
大勢の方との「共同生活」だから止むなしの面もあるのですが、ぶっちゃけ晩酌くらいのお酒だって少しくらいならOKじゃないかと個人的には思っています。病気が治って(あるいは落ち着いて)また自宅で飲める方ならまだしも、余命限られた入院生活を余儀なくされた方々にとっては特に。
飲酒に関しては病院内の厳しいローカルルールが立ちはだかります。でも、一部の緩和ケア病棟ではOKらしいって噂を聞くこともあります。病院や病棟によってローカルルールが違うっていうのもなんか変ですが…
以前、医者が入院中の患者さんにお酒を「処方」できるという内容のブログを書いたことがあります。「日本薬局方 ぶどう酒」というものがあるそうです(うちの病院は私が着任する前に削除されてしまいましたが…)。
処方していいくらいだから法的に「入院中は飲酒禁止」というのは無いはずです(たぶん…適度な量なら)。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
少し話が脱線しました。
○さん、エビチリスーラータンメン談話の数日後から腸閉塞を発症し、ずっと絶食状態になってしまいました。緩和的放射線治療でも効果が期待できないそうにない病状でした。その後も徐々に状態が悪化し、残念ながら数週後に帰らぬ人となってしまいました。
スーラータンメンの約束は果たせませんでした。残念です。
この場をお借りして、○さんのお悔やみを申し上げます。
PS:ごく最近のことですが、そのラーメン屋さんも閉店してしまいました。後継者がいなかったそうです。
地元の名店がまた一つ消滅しました。残念です。

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