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放射線治療にたずさわっている赤ワインが好きな町医者です。緩和医療や在宅医療、統合医療にも関心があります。仕事上の、医療関係の、趣味や運動の、その他もろもろの随想を不定期に更新する予定です。
 ここ最近、うちの施設では院内外から毎週のように緊急照射依頼があります。先週は1週間で4例も。
 不謹慎で申し訳ございませんが、続く時ってなぜか続くようです。場の流れがあるかのように。緊急照射ではありませんが、めったに経験しないがんの患者さんの放射線治療依頼が続けて2~3人続くこともこれまで何度か経験しました。しかもその後はそのがんの照射依頼がピタッと途絶えてしまい。せっかくいろいろ調べたのに…もちろん、その時に出会ったご依頼患者さんたちのために調べているわけですが。


 昨日も夕方に緊急照射のご依頼があり、段取りに手慣れた(?)うちの治療スタッフの迅速な連携と協力のもとで主治医の先生からあった最初の電話から2時間弱で緊急照射を行いました。治療スタッフのみなさん、いつもありがとうございます。

 ここ数日で急に身体の自由が利きにくくなり救急車で来院された患者さん。諸検査の結果を複数診療科の先生方と協議のうえ、患者さんご本人とも相談し当日の緊急照射とあいなりました。
 その患者さん、実は何年も闘病生活を送られ手術経験は数回ある(ベテランの)方なのですが、今回はおそらく初めて経験される身体の自由が思うように効かない状態でした。しかもベッド上安静で、いきなり勧められたのは(いくらご説明をしたとはいえ)何をされるのかおそらく見当がつきにくいであろう人生初の放射線治療。当然のことながらかなり不安があった様子にお見受けしました。
 
 ともあれ緊急照射は無事終了しました。放射線治療装置からベッドに移られた後、「人事を尽くしておりますし、良い経過になることを信じましょう」と私がお話しすると、「ありがとうございました」と患者さんのお礼の言葉とともに私に右手を差し出されました。


 緊急照射というのは突然の臨時依頼に対し治療スタッフの迅速な協力があって実現するものです。私一人(≒医者だけ)で到底できる治療ではありません。本当であれば関係スタッフ全員と握手が交わせればもっとよかったのでしょうが、時間的制約など諸事情でなかなか全員が揃うことは簡単ではありません。また、患者さん自身も冷静に治療をお受けしているわけではないことが多々あります。治療が終り落ち着いた気分の時にようやくきっとそういう気分になれるのでしょう。


 ということで、今日はみんなを代表して私が握手に応じさせていただきました。力強い握手でした。とてもうれしそうな表情に感じました。患者さんご自身も、お礼だけじゃなく「きっとよくなる」と決意表明をするような気分だったのかな?
 後日また再診で体調を伺う予定です。スタッフ一同で今日より回復していることをお祈りしております。

 最後にもう一度。スタッフのみなさん、いつも迅速で効率よい緊急照射のご対応、ありがとうございます。もちろん普段の業務にも大変感謝しております。

 
 ブログ(文章)って面と向かってはなかなか照れくさくて言いにくいことも気軽に書けていいですね。

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【2014/11/27 01:28】 | 放射線治療:よもやま話
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