12月11~13日、パシフィコ横浜で日本放射線腫瘍学会第27回学術大会(大会長 北里大学医学部放射線腫瘍学 早川和重先生)が開催されました。私は職場の都合で残念ながら2日目の昼から出席でした(会長招宴、行きたかった~)。
今回の私は、10月に投稿した「くるまいすとれっちゃーの初期使用経験」のポスター発表と「看護」ポスターセッション座長という大役、+会合3つが3日目の昼までに凝縮していました。今回参加の主目的の一つだった夜の会合は話が弾み、気づけばすっかり午前様でした(翌朝7:30からの会合はとてもつらかった)。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-94.html
くるまいすとれっちゃーのポスター発表は、早朝の会合直後の「その他」セッションでした。去年この学会で発表した「穴あきパンツ」の演題も「その他」系でしたから2年連続。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-55.html
「その他」系が私の専門分野っていうイメージ、同業者にも少し定着してきたかな?一部の先生方にはブログでもFBでもアピールしているし…
話変わって、去年の学術大会で私が注目した看護セッション印象記のブログを一部、以下に引用します。
『「放射線治療がどこにどのように照射されているのかがわかりにくいのが身体的処置で悩むところ」との意見が出ていました。○×大学とか△□がんセンターといった有名な施設の(おそらく認定)看護師さんから。
ある看護師さんからは「きちんとしたCT読影の教育を受けてないから、(治療計画)CT画像を見た瞬間に引いちゃいます」という意見もでていました。』
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-54.html
そのようなことを書いたからか(?)不肖私が座長を担当させていただいた看護のポスターセッションで、福島の南東北病院さんから自施設のがん放射線療法看護の実態調査についてとても興味深いご発表をなさっていました。『電子カルテで放射線治療計画画像が参照できることを知っているのは3人に1人(放射線治療科関連部署でも2人に1人)、治療計画を看護に利用しているのはわずか7人に1人』(抄録改変)だったそうです。
7人に1人「も」、でしょうか…?
あくまで個人的な印象ですが、おそらく国内の多くの施設は似たような状況かもしれないなと思いました。たぶんうちの病院も印象としてはそんな感じ(か、下手するともっと少ない?)…きちんと調査してはいませんが。
今後の対策案として、南東北さんは『研修会などの実施』を挙げておられました。また別のポスターで、粒子線医療センターさんから『看護師の治療計画画像マニュアルの必要性』についてのご発表も貼ってありました(これは別件と重なり聴講できませんでした…)。
看護師さんたちが“食べず嫌い(治療計画画像に対するアレルギー)”にならないよう、放射線治療計画画像(CTに線量分布図が載っている写真)を気軽に見られる環境作りも大事かもしれません。画像と線量分布さえ見慣れれば、放射線治療患者さんのケアなどにもより具体的なイメージがつかめるようになるはず。難しい画像診断や解剖はさておき、とりあえず自分が担当している科の放射線治療の副作用(特に皮膚炎、粘膜炎)に特化したCT画像や線量分布図の見方に慣れれば、そしてもちろん治療計画参照用のソフトウェアをざっくりと使えるように(≒開く気に)なれば。
実はまもなくうちの病院で、電子カルテで放射線治療計画画像が「全部」参照できる放射線治療情報システム:治療RISを導入します。現在は、一部の治療計画画像をJPEGなどでキャプチャして電子カルテ:HIS(あるいは放射線情報システム:RIS)上で参照してもらっていますが(そういう施設が多いのでは?)、今度のシステムでは放射線治療計画装置そのものを電子カルテから覗きにいくことが可能になります。私たち放射線腫瘍医の手の内が全て暴露されちゃいます。
操作方法や画像情報が多すぎて放射線治療スタッフ以外には逆に敷居が高くなってしまう恐れもあります。今回のご発表をみて、うちでも定期研修会でCT画像や線量分布図の見方をもっと知っていただけるような体制を整備しないといけないかなと学びました(看護師さんたちとの距離をいろいろな面でもっと縮めるためにも…笑)。
さらにその副産物として、画像に慣れた看護師さんたちががん緊急である「MSCC」や転移などを見つけてくれる可能性が高まるかもしれません。いや、その前に発見しなくてはいけないですね。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-101.html
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-102.html
看護師さんだけでなく他科のお医者さんにも…というか、実は私たちの描いた一番大事なGTVのダブルチェックを主治医の先生たちにもしていただけばということを期待した導入でもあり。(特にご年配の)お医者さんたちから「今さらそんなの、こっちも忙しいし先生たち専門の放射線腫瘍医に任せるよ」って言われるかもしれませんが…そんなことないですか?
ということで、来年以降も「その他」系の発表演題が出せそうです。
懇親会後の楽しすぎた夜の会合、途中から何を話したか記憶がいささか定かでないのですがポスター発表前にまゆ毛は剃られなかったようでホッとしました。とっても楽しい年下の(飲み)友達が増えました。
是非、また! 今度は東京で? それとも地元で??
(PS:〇×がんの放射線治療…系のご発表も聴講しております!)
今回の私は、10月に投稿した「くるまいすとれっちゃーの初期使用経験」のポスター発表と「看護」ポスターセッション座長という大役、+会合3つが3日目の昼までに凝縮していました。今回参加の主目的の一つだった夜の会合は話が弾み、気づけばすっかり午前様でした(翌朝7:30からの会合はとてもつらかった)。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-94.html
くるまいすとれっちゃーのポスター発表は、早朝の会合直後の「その他」セッションでした。去年この学会で発表した「穴あきパンツ」の演題も「その他」系でしたから2年連続。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-55.html
「その他」系が私の専門分野っていうイメージ、同業者にも少し定着してきたかな?一部の先生方にはブログでもFBでもアピールしているし…
話変わって、去年の学術大会で私が注目した看護セッション印象記のブログを一部、以下に引用します。
『「放射線治療がどこにどのように照射されているのかがわかりにくいのが身体的処置で悩むところ」との意見が出ていました。○×大学とか△□がんセンターといった有名な施設の(おそらく認定)看護師さんから。
ある看護師さんからは「きちんとしたCT読影の教育を受けてないから、(治療計画)CT画像を見た瞬間に引いちゃいます」という意見もでていました。』
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-54.html
そのようなことを書いたからか(?)不肖私が座長を担当させていただいた看護のポスターセッションで、福島の南東北病院さんから自施設のがん放射線療法看護の実態調査についてとても興味深いご発表をなさっていました。『電子カルテで放射線治療計画画像が参照できることを知っているのは3人に1人(放射線治療科関連部署でも2人に1人)、治療計画を看護に利用しているのはわずか7人に1人』(抄録改変)だったそうです。
7人に1人「も」、でしょうか…?
あくまで個人的な印象ですが、おそらく国内の多くの施設は似たような状況かもしれないなと思いました。たぶんうちの病院も印象としてはそんな感じ(か、下手するともっと少ない?)…きちんと調査してはいませんが。
今後の対策案として、南東北さんは『研修会などの実施』を挙げておられました。また別のポスターで、粒子線医療センターさんから『看護師の治療計画画像マニュアルの必要性』についてのご発表も貼ってありました(これは別件と重なり聴講できませんでした…)。
看護師さんたちが“食べず嫌い(治療計画画像に対するアレルギー)”にならないよう、放射線治療計画画像(CTに線量分布図が載っている写真)を気軽に見られる環境作りも大事かもしれません。画像と線量分布さえ見慣れれば、放射線治療患者さんのケアなどにもより具体的なイメージがつかめるようになるはず。難しい画像診断や解剖はさておき、とりあえず自分が担当している科の放射線治療の副作用(特に皮膚炎、粘膜炎)に特化したCT画像や線量分布図の見方に慣れれば、そしてもちろん治療計画参照用のソフトウェアをざっくりと使えるように(≒開く気に)なれば。
実はまもなくうちの病院で、電子カルテで放射線治療計画画像が「全部」参照できる放射線治療情報システム:治療RISを導入します。現在は、一部の治療計画画像をJPEGなどでキャプチャして電子カルテ:HIS(あるいは放射線情報システム:RIS)上で参照してもらっていますが(そういう施設が多いのでは?)、今度のシステムでは放射線治療計画装置そのものを電子カルテから覗きにいくことが可能になります。私たち放射線腫瘍医の手の内が全て暴露されちゃいます。
操作方法や画像情報が多すぎて放射線治療スタッフ以外には逆に敷居が高くなってしまう恐れもあります。今回のご発表をみて、うちでも定期研修会でCT画像や線量分布図の見方をもっと知っていただけるような体制を整備しないといけないかなと学びました(看護師さんたちとの距離をいろいろな面でもっと縮めるためにも…笑)。
さらにその副産物として、画像に慣れた看護師さんたちががん緊急である「MSCC」や転移などを見つけてくれる可能性が高まるかもしれません。いや、その前に発見しなくてはいけないですね。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-101.html
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-102.html
看護師さんだけでなく他科のお医者さんにも…というか、実は私たちの描いた一番大事なGTVのダブルチェックを主治医の先生たちにもしていただけばということを期待した導入でもあり。(特にご年配の)お医者さんたちから「今さらそんなの、こっちも忙しいし先生たち専門の放射線腫瘍医に任せるよ」って言われるかもしれませんが…そんなことないですか?
ということで、来年以降も「その他」系の発表演題が出せそうです。
懇親会後の楽しすぎた夜の会合、途中から何を話したか記憶がいささか定かでないのですがポスター発表前にまゆ毛は剃られなかったようでホッとしました。とっても楽しい年下の(飲み)友達が増えました。
是非、また! 今度は東京で? それとも地元で??
(PS:〇×がんの放射線治療…系のご発表も聴講しております!)
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