先週末、東京の慶応義塾大学信濃町キャンパス東校舎で開催された「第7回JKがんリハビリフォーラム」に出席してきました。このフォーラム、順天堂大学さんと慶応大学さんのクローズの会(JuntenとKeioの頭文字をとってJK)として当初はスタートしたそうなのですが、がん患者さんの治療やリハビリに関する多職種オープンカンファレンスとして今に至るそうです。
(私は初参加でしたが)今回は2つの特別講演のあと、各施設から症例検討を主としたいろいろな演題発表がありました。
最初のご講演は、奈良県立医科大学整形外科の城戸先生による「骨転移キャンサーボードの取り組み」と題した5年間の運用経験について。骨転移診療に限定した国内で先駆的で積極的なご施設からの報告でした。
骨転移というのは、つらい痛みへの対応はもちろんのこと、一生治らないかもしれない病的な骨折を起こす危険性やだんだん悪化する可能性がある全身の病状など、治療法の選択やリハビリをはじめとする心身のケアが難しいことが少なくありません。骨という部分だけを診て姑息的に対応できるものではなく、主治医はもとより整形外科医、放射線科医、緩和ケア医、看護師さん、リハビリなどの療法士さん、心理士さん、在宅療養を見据えたソーシャルワーカーさんやケアマネさんなど、多職種の関与が大変重要になります。また、骨転移というのはがんを診療する可能性があるほとんどすべての診療科でかかわる可能性がある病態でもあります。
限られた診療科メンバーで構成される臓器別のキャンサーボードよりも、はるかに多くの医療従事者が参加しうるのが骨転移キャンサーボードなのかもしれません。
などと偉そうに書いたものの、実は私もまだ骨転移キャンサーボードを自施設で行った経験はありません。多職種をまじえた院内全体でのキャンサーボードというものを昨年からはじめたうちの施設にとって(臓器別は以前から行っていました)、今後のために大変参考になったご講演でした。
2つ目のご講演は、東大宮訪問看護ステーション作業療法士の佐治先生による「地域におけるリハビリテーション」、在宅での骨転移患者さんへのリハビリ対応を中心としたお話でした。
医療者により様々な制限や拘束を余儀なくされる入院生活と違って、骨転移治療後などで筋力低下したり、骨折などの危険が心配されコルセットなどの装具や歩行器などが必要だったりしても、自宅に戻るとそんなことお構いなしの生活をしてしまう方が(私の予想通り)少なくなく、リスクがあってもなかなか止められない状況があるそうです。
「自分でできるかぎり自分でしたい」…ご本人の自立した生活とご家族の介護が中心となる在宅。地域におけるがんのリハビリテーション啓蒙はまだ始まったばかりだそうですが、病診連携の大切さを改めて教えていただきました。
私を含めた病院スタッフも在宅診療の現場を直接経験する機会をつくるべきかもしれません。
このフォーラムの存在、facebookお友達の先輩Drからの情報で知りました。ありがとうございました。放射線腫瘍医の参加ってこれまで何人くらいいたのだろう?機会があったら、また参加してみたいものです。
たまたまなのですが慶應大の某先生と緩和医療系の打ち合わせ会をする必要があったこともあり、ついでと言ってはなんですが慶応大学病院さんをざっくりですがはじめて見学しました。慶応大さんでは放射線治療装置のことを「リナック」って呼ぶのですね。
病院はこれからいろいろな新築工事が予定されているそうです。なかなか風情のある歴史ありそうな建造物が多い病院でした。
その後は新宿まで散歩して、以前から気になっていた新宿眼科画廊さんにちょっと立ち寄りました。なんとも不思議な雰囲気の画廊でしたが、また興味深い催しがあったら立ち寄ってみたいものです。
で、〆は東京駅で電車の最終まで朋友と飲み会。あっという間に時間が過ぎ、私も話足りなかったです。また、よろしくね~。
楽しい一日でした。
ここ1か月、いろいろあってブログ投稿が滞ってしまいましたが、いろいろあってまた少し滞るかもしれません…
(私は初参加でしたが)今回は2つの特別講演のあと、各施設から症例検討を主としたいろいろな演題発表がありました。
最初のご講演は、奈良県立医科大学整形外科の城戸先生による「骨転移キャンサーボードの取り組み」と題した5年間の運用経験について。骨転移診療に限定した国内で先駆的で積極的なご施設からの報告でした。
骨転移というのは、つらい痛みへの対応はもちろんのこと、一生治らないかもしれない病的な骨折を起こす危険性やだんだん悪化する可能性がある全身の病状など、治療法の選択やリハビリをはじめとする心身のケアが難しいことが少なくありません。骨という部分だけを診て姑息的に対応できるものではなく、主治医はもとより整形外科医、放射線科医、緩和ケア医、看護師さん、リハビリなどの療法士さん、心理士さん、在宅療養を見据えたソーシャルワーカーさんやケアマネさんなど、多職種の関与が大変重要になります。また、骨転移というのはがんを診療する可能性があるほとんどすべての診療科でかかわる可能性がある病態でもあります。
限られた診療科メンバーで構成される臓器別のキャンサーボードよりも、はるかに多くの医療従事者が参加しうるのが骨転移キャンサーボードなのかもしれません。
などと偉そうに書いたものの、実は私もまだ骨転移キャンサーボードを自施設で行った経験はありません。多職種をまじえた院内全体でのキャンサーボードというものを昨年からはじめたうちの施設にとって(臓器別は以前から行っていました)、今後のために大変参考になったご講演でした。
2つ目のご講演は、東大宮訪問看護ステーション作業療法士の佐治先生による「地域におけるリハビリテーション」、在宅での骨転移患者さんへのリハビリ対応を中心としたお話でした。
医療者により様々な制限や拘束を余儀なくされる入院生活と違って、骨転移治療後などで筋力低下したり、骨折などの危険が心配されコルセットなどの装具や歩行器などが必要だったりしても、自宅に戻るとそんなことお構いなしの生活をしてしまう方が(私の予想通り)少なくなく、リスクがあってもなかなか止められない状況があるそうです。
「自分でできるかぎり自分でしたい」…ご本人の自立した生活とご家族の介護が中心となる在宅。地域におけるがんのリハビリテーション啓蒙はまだ始まったばかりだそうですが、病診連携の大切さを改めて教えていただきました。
私を含めた病院スタッフも在宅診療の現場を直接経験する機会をつくるべきかもしれません。
このフォーラムの存在、facebookお友達の先輩Drからの情報で知りました。ありがとうございました。放射線腫瘍医の参加ってこれまで何人くらいいたのだろう?機会があったら、また参加してみたいものです。
たまたまなのですが慶應大の某先生と緩和医療系の打ち合わせ会をする必要があったこともあり、ついでと言ってはなんですが慶応大学病院さんをざっくりですがはじめて見学しました。慶応大さんでは放射線治療装置のことを「リナック」って呼ぶのですね。
病院はこれからいろいろな新築工事が予定されているそうです。なかなか風情のある歴史ありそうな建造物が多い病院でした。
その後は新宿まで散歩して、以前から気になっていた新宿眼科画廊さんにちょっと立ち寄りました。なんとも不思議な雰囲気の画廊でしたが、また興味深い催しがあったら立ち寄ってみたいものです。
で、〆は東京駅で電車の最終まで朋友と飲み会。あっという間に時間が過ぎ、私も話足りなかったです。また、よろしくね~。
楽しい一日でした。
ここ1か月、いろいろあってブログ投稿が滞ってしまいましたが、いろいろあってまた少し滞るかもしれません…
- 関連記事
-
- 20年ぶりのプレゼントと在宅診療の思い出 (2016/08/29)
- 診療ガイドラインをたくさん買いました (第21回日本緩和医療学会学術大会印象記) (2016/06/19)
- 久しぶりに…今年度第1回目の緩和ケア研修会 (2015/12/07)
- 日本緩和医療学会学術大会に5年連続5回目の参加 (2015/06/23)
- 第7回JKがんリハビリフォーラム(+α) (2015/03/10)
- 「天才バカボン」、緩和医療・スピリチュアルケアのイメージキャラクター? (2014/05/18)
- 緩和という言葉(2) (第37回日本死の臨床研究会年次大会印象記その2) (2013/11/19)
- 緩和という言葉(1) (第37回日本死の臨床研究会年次大会印象記その1) (2013/11/07)
- May I help you ? (1) (2013/06/24)
スポンサーサイト
| ホーム |