エビチリが大好きだった〇さんのその後なのですが、残念ながらうちの科に入院したまま緩和ケア病棟へ転科となってしまいました。
お顔を拝見しようと遊びに…いや、緩和的放射線治療後経過観察のため病室まで(無料)往診しました。
さらにやつれてしまった○さん。(緩和ケア病棟でも食は進んでなかったですし、こちらからは言い出しにくかったのですが)〇さんから口火を切っていただき、すぐにエビチリ話となりました。緩和ケア病棟でもやっぱり食べておられました!
しばしエビチリ歓談後、「〇さん、エビチリの他に食べてみたいものってないですか?」とお尋ねしてみました。
すると〇さん、「☓市立病院の向いにあるお店のラーメン」と即答。
「私、そんなにラーメン屋さんは詳しくなくって、その辺だと△□ってお店しか知らないんですよね~」
〇さん、また満面の笑みで「そう、そこのスーラータンメンが食べたい!」と。
そのラーメン屋さん、地元の人気店でした。翌日のお尻がかなり気になるエンドレスまで辛さいろいろなスーラータンメンが有名で、非常勤支援に来る大学病院の先生方も大ファンが少なくなく、お昼休みなどによく立ち寄っていたようです。
大学病院時代の私の元上司(いわゆる教授)も「△□のスーラータンメンって美味いよな~」とちょくちょくおっしゃっていました。遠く県外でしたが(笑)
〇さんから「先生、退院したら一緒に行きましょう!」とお誘いを受けました(病院からだと30分以上かかるので出前だと麺が延びきっちゃう…)。
「いいですね~。ぜひ行きましょう!」と私もお返事し、(診察するのをすっかり忘れて)その日は退室しました。
入院すると飲食面でもいろいろな制約がありますよね(私が書くのもなんですが)。
気がるに病室へ出前など頼めないし、病院食だって指定されたものが出てくるし。もちろん病状に応じて食べやすい食材が出たり、なるべく希望に合わせた献立に変更したりもするわけですが…。
病院食も、栄養管理上なのかコスト面もあるのか、牛乳が良く出る病院って少なくないような気がします。和食中心の夕飯に牛乳がついてくると、元気な私でも「う~ん…」って気分になります。
どうせなら代わりに小さな缶ビールだとすごく嬉しいのになぁって私なら思います。小さな牛乳パックくらいのビール量なら(普通は)酔ってくだをまくことはまずないでしょうし。
もっとも、私たち医者が検食する場合は、業務中なのでアルコール禁なわけですが。
でも、私が医者になりたてのその昔は、宿直時に医局でビール片手に夕食を食べていた先輩医師もたま~にいました。古き(良き?)時代でした。
大勢の方との「共同生活」だから止むなしの面もあるのですが、ぶっちゃけ晩酌くらいのお酒だって少しくらいならOKじゃないかと個人的には思っています。病気が治って(あるいは落ち着いて)また自宅で飲める方ならまだしも、余命限られた入院生活を余儀なくされた方々にとっては特に。
飲酒に関しては病院内の厳しいローカルルールが立ちはだかります。でも、一部の緩和ケア病棟ではOKらしいって噂を聞くこともあります。病院や病棟によってローカルルールが違うっていうのもなんか変ですが…
以前、医者が入院中の患者さんにお酒を「処方」できるという内容のブログを書いたことがあります。「日本薬局方 ぶどう酒」というものがあるそうです(うちの病院は私が着任する前に削除されてしまいましたが…)。
処方していいくらいだから法的に「入院中は飲酒禁止」というのは無いはずです(たぶん…適度な量なら)。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
少し話が脱線しました。
○さん、エビチリスーラータンメン談話の数日後から腸閉塞を発症し、ずっと絶食状態になってしまいました。緩和的放射線治療でも効果が期待できないそうにない病状でした。その後も徐々に状態が悪化し、残念ながら数週後に帰らぬ人となってしまいました。
スーラータンメンの約束は果たせませんでした。残念です。
この場をお借りして、○さんのお悔やみを申し上げます。
PS:ごく最近のことですが、そのラーメン屋さんも閉店してしまいました。後継者がいなかったそうです。
地元の名店がまた一つ消滅しました。残念です。

お顔を拝見しようと遊びに…いや、緩和的放射線治療後経過観察のため病室まで(無料)往診しました。
さらにやつれてしまった○さん。(緩和ケア病棟でも食は進んでなかったですし、こちらからは言い出しにくかったのですが)〇さんから口火を切っていただき、すぐにエビチリ話となりました。緩和ケア病棟でもやっぱり食べておられました!
しばしエビチリ歓談後、「〇さん、エビチリの他に食べてみたいものってないですか?」とお尋ねしてみました。
すると〇さん、「☓市立病院の向いにあるお店のラーメン」と即答。
「私、そんなにラーメン屋さんは詳しくなくって、その辺だと△□ってお店しか知らないんですよね~」
〇さん、また満面の笑みで「そう、そこのスーラータンメンが食べたい!」と。
そのラーメン屋さん、地元の人気店でした。翌日のお尻がかなり気になるエンドレスまで辛さいろいろなスーラータンメンが有名で、非常勤支援に来る大学病院の先生方も大ファンが少なくなく、お昼休みなどによく立ち寄っていたようです。
大学病院時代の私の元上司(いわゆる教授)も「△□のスーラータンメンって美味いよな~」とちょくちょくおっしゃっていました。遠く県外でしたが(笑)
〇さんから「先生、退院したら一緒に行きましょう!」とお誘いを受けました(病院からだと30分以上かかるので出前だと麺が延びきっちゃう…)。
「いいですね~。ぜひ行きましょう!」と私もお返事し、(診察するのをすっかり忘れて)その日は退室しました。
入院すると飲食面でもいろいろな制約がありますよね(私が書くのもなんですが)。
気がるに病室へ出前など頼めないし、病院食だって指定されたものが出てくるし。もちろん病状に応じて食べやすい食材が出たり、なるべく希望に合わせた献立に変更したりもするわけですが…。
病院食も、栄養管理上なのかコスト面もあるのか、牛乳が良く出る病院って少なくないような気がします。和食中心の夕飯に牛乳がついてくると、元気な私でも「う~ん…」って気分になります。
どうせなら代わりに小さな缶ビールだとすごく嬉しいのになぁって私なら思います。小さな牛乳パックくらいのビール量なら(普通は)酔ってくだをまくことはまずないでしょうし。
もっとも、私たち医者が検食する場合は、業務中なのでアルコール禁なわけですが。
でも、私が医者になりたてのその昔は、宿直時に医局でビール片手に夕食を食べていた先輩医師もたま~にいました。古き(良き?)時代でした。
大勢の方との「共同生活」だから止むなしの面もあるのですが、ぶっちゃけ晩酌くらいのお酒だって少しくらいならOKじゃないかと個人的には思っています。病気が治って(あるいは落ち着いて)また自宅で飲める方ならまだしも、余命限られた入院生活を余儀なくされた方々にとっては特に。
飲酒に関しては病院内の厳しいローカルルールが立ちはだかります。でも、一部の緩和ケア病棟ではOKらしいって噂を聞くこともあります。病院や病棟によってローカルルールが違うっていうのもなんか変ですが…
以前、医者が入院中の患者さんにお酒を「処方」できるという内容のブログを書いたことがあります。「日本薬局方 ぶどう酒」というものがあるそうです(うちの病院は私が着任する前に削除されてしまいましたが…)。
処方していいくらいだから法的に「入院中は飲酒禁止」というのは無いはずです(たぶん…適度な量なら)。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-46.html
少し話が脱線しました。
○さん、エビチリスーラータンメン談話の数日後から腸閉塞を発症し、ずっと絶食状態になってしまいました。緩和的放射線治療でも効果が期待できないそうにない病状でした。その後も徐々に状態が悪化し、残念ながら数週後に帰らぬ人となってしまいました。
スーラータンメンの約束は果たせませんでした。残念です。
この場をお借りして、○さんのお悔やみを申し上げます。
PS:ごく最近のことですが、そのラーメン屋さんも閉店してしまいました。後継者がいなかったそうです。
地元の名店がまた一つ消滅しました。残念です。

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