昨日、地元のがんプロフェッショナル養成基盤推進プラン(以下、がんプロ)の4大学合同学生セミナーにお招きいただき、陽子線治療の教育講演なるものを担当させていただきました。ブログでも書いておりますように陽子線治療の臨床経験はまだ1年に満たない私ですが、僭越ながら講師をさせていただきました。
陽子線治療の講演は初めてでした。
がんプロというのは『手術療法、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わるがん専門医療人を養成する大学の取組を支援することを目的』として『複数の大学がそれぞれの個性や特色、得意分野を活かしながら相互に連携・補完して教育を活性化』するために平成25年度から全国各地域で実施されているものです(『』内は文部科学省HPより引用)。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/1314727.htm
当然、今回のがんプロセミナーの参加者も最新の医学研究をなさっておられる各大学の新進気鋭の若い先生方ばかり、しかも前列には国公立4大学の名の知れた担当教授が勢ぞろい。
そんな中、私は陽子線治療に関する講演は人生初、作成スライドも新作ばかりだったので、緊張感満載の発表でした。
私の講演タイトルは「陽子線治療の現状と臨床試験を軸とした今後の可能性」、今回のセミナーを主催された大学の先生のご要望をふまえて決まりました。
前回のブログで『小児がんの陽子線治療の保険適応が決定したようです!(中略) 数年前から粒子線グループの先生方が集まって厚生労働省の担当の方々とも相談しながら国内外に粒子線治療の安全性・有効性を示すため臨床試験をはじめとするいろいろな準備をしています。』と書きました。
その後も頻回に開催されている各施設の担当放射線腫瘍医が一同に会した粒子線治療会議でいろいろな準備が着々と進んでおりまして、およそできあがった各臨床試験のプロトコール概要やコンセプトをいくつかご紹介させていただきました。
タイムリーに進められている内容(案)が参考資料としていろいろあったので、正直助かりました(笑)
今年1月14日に開催された第38回先進医療会議で報告された粒子線治療の取り扱いが厚生労働省HPに掲載されたPDFに記されています。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000109281.pdf
粒子線治療の先進医療関連の各臨床試験プロトコールについてはまだ公開されていないのですが、それ以外の各がん種でも来年度からは粒子線治療が日本放射線学会作成の全国統一治療方針で診療が行われる予定です。その概要は上記PDFに70ページ以上をかけて公表されています。
今回の教育講演は全部で30分とかなり限られていた(し、加速器BNCT治験の話題も少し紹介したかった)ので、逆に臨床試験以外の統一治療方針の紹介は今回の講演ではほとんど省かざるをえませんでした。
別の機会があったら、臨床試験以外の統一治療方針スライドもお披露目できるかもしれません…もしあれば、ですが。
来年度からは全国統一治療方針の他にも粒子線治療を実施するうえで以下の新たな施設要件を満たすことが必要になりそうです。これも上記PDFに詳細が記載されていますが、その要件を私なりに簡単にまとめてみました。
1. 粒子線治療専門スタッフ数の充足
2. キャンサーボードの整備
3. 学会指定の共通粒子線治療同意説明書等の使用
4. 粒子線治療例を学会へ全例登録
5. 学会による定期的な施設訪問調査、施設からの定期報告
全例登録はなかなか大変そうですが、他はうちの施設に関してはなんとかなりそうです…たぶん。
陽子線治療は装置そのものがだんだん改良され、また小型化も進んでいます。昨年12月には台湾で今のX線治療室にも設置できそうな小型陽子線治療装置が世界で初めて導入されたことが報道されました。
http://www.iba-protontherapy.com/proteusone-0#8299
この辺も話題提供としてご紹介させていただきました。
以上、客観的な臨床効果確認のため多施設臨床試験が進められていること、陽子線治療装置の改良や小型化が進んでいることなど、近い将来X線治療に変わりうると期待されている陽子線治療の現状についてのご紹介講演をさせていただきました。
ほとんどが新しく作ったスライドばかり、私もいろいろ勉強になりました。
実は来月も日本放射線腫瘍学会主催の看護師さん向けの放射線治療セミナーの講師を担当させていただきます。私の担当は放射線治療の基礎と緩和的放射線治療総論です。このブログで紹介した話題もいくつかパクろうかと思ってます…自分で書いたものだからパクるとは言わないですかね?
会費がなんと一人〇千円もするセミナー、予定定員は300名。きっとまた緊張感満載の講演となることでしょう…
私、看護師さん向けのセミナー講師も初体験です。
陽子線治療の講演は初めてでした。
がんプロというのは『手術療法、放射線療法、化学療法その他のがん医療に携わるがん専門医療人を養成する大学の取組を支援することを目的』として『複数の大学がそれぞれの個性や特色、得意分野を活かしながら相互に連携・補完して教育を活性化』するために平成25年度から全国各地域で実施されているものです(『』内は文部科学省HPより引用)。
http://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/kaikaku/1314727.htm
当然、今回のがんプロセミナーの参加者も最新の医学研究をなさっておられる各大学の新進気鋭の若い先生方ばかり、しかも前列には国公立4大学の名の知れた担当教授が勢ぞろい。
そんな中、私は陽子線治療に関する講演は人生初、作成スライドも新作ばかりだったので、緊張感満載の発表でした。
私の講演タイトルは「陽子線治療の現状と臨床試験を軸とした今後の可能性」、今回のセミナーを主催された大学の先生のご要望をふまえて決まりました。
前回のブログで『小児がんの陽子線治療の保険適応が決定したようです!(中略) 数年前から粒子線グループの先生方が集まって厚生労働省の担当の方々とも相談しながら国内外に粒子線治療の安全性・有効性を示すため臨床試験をはじめとするいろいろな準備をしています。』と書きました。
その後も頻回に開催されている各施設の担当放射線腫瘍医が一同に会した粒子線治療会議でいろいろな準備が着々と進んでおりまして、およそできあがった各臨床試験のプロトコール概要やコンセプトをいくつかご紹介させていただきました。
タイムリーに進められている内容(案)が参考資料としていろいろあったので、正直助かりました(笑)
今年1月14日に開催された第38回先進医療会議で報告された粒子線治療の取り扱いが厚生労働省HPに掲載されたPDFに記されています。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12401000-Hokenkyoku-Soumuka/0000109281.pdf
粒子線治療の先進医療関連の各臨床試験プロトコールについてはまだ公開されていないのですが、それ以外の各がん種でも来年度からは粒子線治療が日本放射線学会作成の全国統一治療方針で診療が行われる予定です。その概要は上記PDFに70ページ以上をかけて公表されています。
今回の教育講演は全部で30分とかなり限られていた(し、加速器BNCT治験の話題も少し紹介したかった)ので、逆に臨床試験以外の統一治療方針の紹介は今回の講演ではほとんど省かざるをえませんでした。
別の機会があったら、臨床試験以外の統一治療方針スライドもお披露目できるかもしれません…もしあれば、ですが。
来年度からは全国統一治療方針の他にも粒子線治療を実施するうえで以下の新たな施設要件を満たすことが必要になりそうです。これも上記PDFに詳細が記載されていますが、その要件を私なりに簡単にまとめてみました。
1. 粒子線治療専門スタッフ数の充足
2. キャンサーボードの整備
3. 学会指定の共通粒子線治療同意説明書等の使用
4. 粒子線治療例を学会へ全例登録
5. 学会による定期的な施設訪問調査、施設からの定期報告
全例登録はなかなか大変そうですが、他はうちの施設に関してはなんとかなりそうです…たぶん。
陽子線治療は装置そのものがだんだん改良され、また小型化も進んでいます。昨年12月には台湾で今のX線治療室にも設置できそうな小型陽子線治療装置が世界で初めて導入されたことが報道されました。
http://www.iba-protontherapy.com/proteusone-0#8299
この辺も話題提供としてご紹介させていただきました。
以上、客観的な臨床効果確認のため多施設臨床試験が進められていること、陽子線治療装置の改良や小型化が進んでいることなど、近い将来X線治療に変わりうると期待されている陽子線治療の現状についてのご紹介講演をさせていただきました。
ほとんどが新しく作ったスライドばかり、私もいろいろ勉強になりました。
実は来月も日本放射線腫瘍学会主催の看護師さん向けの放射線治療セミナーの講師を担当させていただきます。私の担当は放射線治療の基礎と緩和的放射線治療総論です。このブログで紹介した話題もいくつかパクろうかと思ってます…自分で書いたものだからパクるとは言わないですかね?
会費がなんと一人〇千円もするセミナー、予定定員は300名。きっとまた緊張感満載の講演となることでしょう…
私、看護師さん向けのセミナー講師も初体験です。
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