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放射線治療にたずさわっている赤ワインが好きな町医者です。緩和医療や在宅医療、統合医療にも関心があります。仕事上の、医療関係の、趣味や運動の、その他もろもろの随想を不定期に更新する予定です。
 今日は北海道から研修医の先生がうちの施設見学にいらっしゃいました。来年からは放射線科を志望とのことで、うちの施設も選択肢らしいです。参考までに若いお医者さんに対する給料をはじめとした福利厚生、うちは結構良いらしいですよ!

 うちの施設見学を希望された理由は(以前見学にいらっしゃった方にお薦めいただいたこともあるそうですが)そうそうたる最先端放射線治療装置が揃っているという点。陽子線、サイバーナイフ、ガンマナイフ、(まもなくTrue beam)、そしてBNCT…(手前味噌ですが)世界最高峰と自画自賛できるスペックです。私が学生・研修医で放射線治療科を検討していたらやっぱり一度は見学に来ると思います。

 日中は副センター長らの案内で施設見学をしていただき(私は外来診療…ごめんなさい)、夜は施設内のフレンチレストランで懇親会が催されました。もちろんゴチです!実は病院持ち…(笑)

 ぶっちゃけ書けば、放射線治療を希望されるのならうちの科に就職していただき、いろいろな経験を是非していただきたい所ではあります。が、やっぱり最終的にはご自身が何をしてみたいかでしょう。
 指導者の責務というのも初期の医師にはある程度重要な要素だろうとは思いますが、最も大事なのは本人が仕事を楽しめるかどうかでしょう。これはどんな職種にも相通じることですよね?「楽しむ」という表現は語弊があるかもしれませんが、今の仕事を楽しむ(=言い換えればやる気や前向きな)意識が乏しい先生が担当になってしまった患者さんは傍から見ていても可哀想です。医者の「やる気」というオーラ、がんという死を意識せざるを得ない方々はおそらく敏感に察知するだろうと思います。
 甘いと言われるかもしれませんが、治療成績などのエビデンスなんかより医者が発する「気」というものが患者さんの信頼感や安心感に最も寄与するのだろうと私は思っています。カリスマ医師(と評判の方々)は直接お会いするとそういったオーラが満ち満ちているように思います。往々にして押しつけ医療になりがちではありますけど、患者さんとウマが合えばそれで良し。

 もちろん何となく診療ではないエビデンスも大事です。


 見学に来られた先生、月並みですが、ご自身で良かれと思う選択をなさってください。そして楽しく悩みながら善きお医者さんになってください。もしうちを選択されたら、来年よろしくね。

 まだまだ私も頑張ります!


2016/07/29
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【2016/07/29 23:55】 | 放射線治療:よもやま話
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