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放射線治療にたずさわっている赤ワインが好きな町医者です。緩和医療や在宅医療、統合医療にも関心があります。仕事上の、医療関係の、趣味や運動の、その他もろもろの随想を不定期に更新する予定です。
 昨夜は歓迎会で、今夜は以前同僚だった女医さんとのメールで血液型の話題が続いたので、これもまたfacebookに去年投稿したものを改変したものですが、今日がブログに出す日かなって勝手に決めました。本当は、ターゲット(2)を出さねばと思っていたし話題もあるのですが、ここ2週近くの間あまり時間的余裕がなく、場つなぎ的に血液型投稿をブログで再掲載することにしました。

 一度読まれた方は飽き飽きしていると承知していますが、どうぞご勘弁ください。去年のFBネタ、まだまだあるのです…(笑)

 ここ2-3年のABO血液型の論文、中国系の著者のものが多いような気がします。改ざんはない論文ばかりと信じたい所ですが…?


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 私事ですがAB型です。血液型性格分類で二重人格、奇人変人が多いとされるAB型です。Wikipediaによると「血液型性格分類には科学的な根拠が認められず、統計的に有意な差も認められない事から、誤った説であると断定できる。いわば迷信、擬似科学または占いといえ、血液型占いとも呼ばれる。それにも関わらず、血液型と性格に関連があるかのように決めつける差別問題が存在する血液型による差別や偏見をブラッドタイプ・ハラスメントと呼ぶ」らしいです。

 昨年、「ABO血液型が腎臓がん術後の予後予測因子」という論文が紹介されていました(Kaffenberger SD, et al. BJUI, 2012)。冗談みたいな論文…と思いつつ、なんとなくPubmed(医学論文検索サイト)で「ABO がん(cancer) 血液(blood)」で検索してみたら、なんとびっくり、ABO血液型とがんに関連する論文、いろいろあるじゃないですか!胃がん、すい臓がん、絨毛がん、乳がん…。すい臓がんはあのJNCIに掲載された疫学論文もありました(Wolpin BM et al., 2009)。絨毛がんに至ってはWHOの予後スコアの因子だったようだし…最近のmodified WHO scoreでは根拠薄弱ということで残念ながら除外されてますけど。

 どの論文もまじめに分子生物学的な考察までしていて、凄いな〜と思ってしまいました。で、最近の報告の傾向はO型が良さそうというものが多いようでした。A抗原、B抗原の保有の順に悪そうです。JNCIの報告では、すい臓がん発症率がO型と比較してA型は32%、AB型は52%、B型は72%も高かったそうです(この論文の調査対象は医療者に限定されていますが)。国内でも愛知県がんセンター研究所疫学予防部が今年ABO血液型と膵臓がん発症リスクの関連性についての検討で「遺伝子型OO被験者と比し、オッズ比で他はほぼ1.5以上。BBに至っては3.28と有意な相関があった」と報告しています。
 ちなみに米国心臓協会学術集会2011でハーバード公衆衛生大学院からは、AB型の人は脳卒中になりやすいなんていう報告もなされているようです。知ってました?私って暇人と思われてます??


 どうでもいいことですが、私の周りにはAB型が溢れています。我が家の過半数はAB型、大学の放射線治療科も中堅以上の過半数がAB型、さらに関連病院の科長クラスはほとんどAB型(?)、21世紀に入ってからのうちの病院の放射線治療科長は全員AB型。
 AB型って全体の1割だったはずですが、ここまで来ると不気味です。類は友を呼ぶ、とは言いますけれど…。

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 ちなみに、今日私にメールしてくださった冒頭の女医さんも「やっぱり」AB型でした。某大学の教授は「AB型はキチガイばかりだ!」とおっしゃっていたとか…?

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【2013/04/21 00:02】 | 医療全般
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