以前のことですが、いつものように某診療科から患者さんの放射線治療依頼がありました。治療依頼書を読むと、最後に「性格が…」との付記が。カルテを拝見すると、他科受診で某先生の手紙にも「30分かけてご説明しましたが治療のご承諾を得られませんでした」との記載が。
既往歴として糖尿病や心臓病などいろいろな成人病をお持ちの男性患者さんで、紹介状やカルテだけ見ると放射線治療の説明にもいささか苦戦しそうな雰囲気を感じました。
そんな先入観の中、(さて、時間をかけて慎重に!)と心の中で少し気合いを入れ患者さんを診察室にお呼びすると、ご夫婦で入室。患者さんはややラフな格好でしたが、パッと見はそれなりでどことなくマイペースっぽい雰囲気。そして付き添いの奥様はしゃきっとした感じの方でした。
(この方、もしかして。。。?)
あいさつの後、放射線治療の説明を始めると、奥様が丁寧にメモを取る一方で患者さんはやや集中にかけるような印象でした。数分後、説明の途中でやや飽きた感じの患者さんからぶっきらぼうに「先生に任せるから!」と。
これ以上説明が長すぎると逆効果になりそうだったので、そこからは少し足早に。
説明後、「お仕事は何をなさっていらっしゃったのですか?」とお尋ねしてみると、「以前、中小企業の社長をしていた」と。
(やっぱりそうでしたか!)と私の心の中。
そのまま少し脱線して「社長さんって夜のお付き合いとか大変ですよね?毎晩のようにパーティーやら会合やら飲食生活がかなり乱れているって聞きますしね。」と話すと、ニヤッと笑い「そうなんだよね~」と患者さん。奥様も少し和やかな面持ちになり「身体には気をつけてもらいたかったのに、本当に困ってたんです。やっぱりいろいろな病気になるし」と。
その後、今回の病状説明とはあまり関係ない食生活と成人病談義がしばし続きました。
私の同級生や近い世代の社長さんや専務さん、あるいは講演会などでご年配の(元)管理職の方々と直接お話を伺う機会がたまにあります。また最近ではfacebookなどで、いろいろな管理職の方々の日常生活を垣間見ることができるようにもなりました。
そこでよく感じるのは、(知る限りですが)多くの方が週何回もお食事付きの会合に参加し、想像以上に飲食生活が不規則かつ暴飲暴食(気味)ということ。
そして宴会場の写真や豪華絢爛なお食事やお酒の写真の数々がネットなどに掲載されているのを眺めると「美味しそうだな」「うらやましいな」と思う反面、「この生活を続けると身体にはきっと悪いよな」と感じることも多いです。みなさんお仕事柄、やむなく宴会が定例化しているようなのですが。
この社長さんも、やはりそんな生活をずっと続け当然のようにいろいろな成人病にかかってしまった方のようでした。
私の知る限り、医者も似たような生活をしている方が少なくありません。院長とか教授とか地位の高い先生方は特に。医者の不養生はいまだその通りかもしれません。お酒が入るとつい調子に乗りがちな私も気をつけないと…
で、私の印象で恐縮なのですが、社長さんに放射線治療を行うと粘膜炎など治療中の副作用が通常の方より強めに出ることが少なくない気がしています。(喫煙を含めた)普段の暴飲暴食生活で粘膜修復機能が相当低下しているんじゃないかって勝手に勘繰っています。
全く根拠ないコメントなので、これ以上は深入り発言しないでおきます。
社長さんの外来診察の話に戻ります。
食生活と成人病談義で双方に少し心の余裕ができた感じだったので、最後にもう少し主目的の放射線治療の説明を補足しました。そして最後に「では、治療に関してはある程度我々にお任せいただきます」と締めて、奥様を含めて放射線治療の文書同意をいただきました。
放射線治療中の食生活にも気をつけるよう指導をしました(特に看護師さんがきちんと)。
全てがそうというわけではもちろんないのですが、私がこれまで診療に関わらせていただいた中小企業の社長さんと奥様ってどこか似た雰囲気があります。言い方は悪いのですが、ちょっとやんちゃで頑固でわがままなおじ(い)ちゃんと、旦那をほどほどに泳がせながら肝心な所は見えない手綱をしっかり引いている奥様。
説明や診察の時も、奥様につい気を配ってしまいます…
既往歴として糖尿病や心臓病などいろいろな成人病をお持ちの男性患者さんで、紹介状やカルテだけ見ると放射線治療の説明にもいささか苦戦しそうな雰囲気を感じました。
そんな先入観の中、(さて、時間をかけて慎重に!)と心の中で少し気合いを入れ患者さんを診察室にお呼びすると、ご夫婦で入室。患者さんはややラフな格好でしたが、パッと見はそれなりでどことなくマイペースっぽい雰囲気。そして付き添いの奥様はしゃきっとした感じの方でした。
(この方、もしかして。。。?)
あいさつの後、放射線治療の説明を始めると、奥様が丁寧にメモを取る一方で患者さんはやや集中にかけるような印象でした。数分後、説明の途中でやや飽きた感じの患者さんからぶっきらぼうに「先生に任せるから!」と。
これ以上説明が長すぎると逆効果になりそうだったので、そこからは少し足早に。
説明後、「お仕事は何をなさっていらっしゃったのですか?」とお尋ねしてみると、「以前、中小企業の社長をしていた」と。
(やっぱりそうでしたか!)と私の心の中。
そのまま少し脱線して「社長さんって夜のお付き合いとか大変ですよね?毎晩のようにパーティーやら会合やら飲食生活がかなり乱れているって聞きますしね。」と話すと、ニヤッと笑い「そうなんだよね~」と患者さん。奥様も少し和やかな面持ちになり「身体には気をつけてもらいたかったのに、本当に困ってたんです。やっぱりいろいろな病気になるし」と。
その後、今回の病状説明とはあまり関係ない食生活と成人病談義がしばし続きました。
私の同級生や近い世代の社長さんや専務さん、あるいは講演会などでご年配の(元)管理職の方々と直接お話を伺う機会がたまにあります。また最近ではfacebookなどで、いろいろな管理職の方々の日常生活を垣間見ることができるようにもなりました。
そこでよく感じるのは、(知る限りですが)多くの方が週何回もお食事付きの会合に参加し、想像以上に飲食生活が不規則かつ暴飲暴食(気味)ということ。
そして宴会場の写真や豪華絢爛なお食事やお酒の写真の数々がネットなどに掲載されているのを眺めると「美味しそうだな」「うらやましいな」と思う反面、「この生活を続けると身体にはきっと悪いよな」と感じることも多いです。みなさんお仕事柄、やむなく宴会が定例化しているようなのですが。
この社長さんも、やはりそんな生活をずっと続け当然のようにいろいろな成人病にかかってしまった方のようでした。
私の知る限り、医者も似たような生活をしている方が少なくありません。院長とか教授とか地位の高い先生方は特に。医者の不養生はいまだその通りかもしれません。お酒が入るとつい調子に乗りがちな私も気をつけないと…
で、私の印象で恐縮なのですが、社長さんに放射線治療を行うと粘膜炎など治療中の副作用が通常の方より強めに出ることが少なくない気がしています。(喫煙を含めた)普段の暴飲暴食生活で粘膜修復機能が相当低下しているんじゃないかって勝手に勘繰っています。
全く根拠ないコメントなので、これ以上は深入り発言しないでおきます。
社長さんの外来診察の話に戻ります。
食生活と成人病談義で双方に少し心の余裕ができた感じだったので、最後にもう少し主目的の放射線治療の説明を補足しました。そして最後に「では、治療に関してはある程度我々にお任せいただきます」と締めて、奥様を含めて放射線治療の文書同意をいただきました。
放射線治療中の食生活にも気をつけるよう指導をしました(特に看護師さんがきちんと)。
全てがそうというわけではもちろんないのですが、私がこれまで診療に関わらせていただいた中小企業の社長さんと奥様ってどこか似た雰囲気があります。言い方は悪いのですが、ちょっとやんちゃで頑固でわがままなおじ(い)ちゃんと、旦那をほどほどに泳がせながら肝心な所は見えない手綱をしっかり引いている奥様。
説明や診察の時も、奥様につい気を配ってしまいます…
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