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放射線治療にたずさわっている赤ワインが好きな町医者です。緩和医療や在宅医療、統合医療にも関心があります。仕事上の、医療関係の、趣味や運動の、その他もろもろの随想を不定期に更新する予定です。
 うちの病院にもPETが導入されることになりました。上層部の先生は「長年欲しかった装置が手に入った」とおっしゃっているようです。

 PET(ペット)とは「陽電子放射断層撮影」という意味で、Positron Emission Tomography(ポジトロン・エミッション・トモグラフィー)の略です。
 PET検査はがんを検査する方法の一つ。放射線が出てくるように細工されたがん細胞に取り込まれやすい物質(FDG)を少しだけ静脈注射して、がんなどを発見する手がかりとなる写真を撮影します。

 これまでうちの病院では、電話などで予約し院外紹介状を作成して、他の病院でPET検査を受けていただいていました。わざわざ出向いて検査を受けなければならない患者さんはもちろん、我々もいろいろ手間暇をかける必要があったのですが、ようやくがん患者さんの初診時全身検査や治療後の再発チェックに有力な武器が院内で使えるようになります!がん検診にも利用できますね。
 放射線治療計画で利用できるような設定も頼んでます。


 ところで、前回のブログで犬の軟膏のことを話題にしましたが、犬・猫に代表される愛玩動物のこともPETといいますね。

 数年前のことになりますが、神奈川県の川崎市にある日本動物高度医療センターでPET(愛玩動物)に放射線治療を実施している現場を見学させていただいたことがあります。人間に使用する高精度な放射線治療計画装置やライナック(リニアックでもOK:笑)が設置されていて、毎回の放射線治療に数名の獣医師が関わって全身麻酔下で大がかりな放射線治療を行っていた光景にとてもびっくりしたものでした。
 (麻酔はかけられませんが)「将来、私の転職先の一つになるかも?」って冗談半分に思ったものでした。そしたらその後、本当に定年退職されたあと動物病院に再就職された先輩某放射線腫瘍医がいるとの噂を耳にしました…

 当時、日本動物高度医療センター川崎さんですら動物へのPET検査は行われていませんでしたが、「近い将来、導入予定」とは伺っていました。病院HPを拝見すると、今はPET検査を実施されているようですね。
 普通の動物病院レベルではまだPET検査は普及していないようですが(高精度な放射線治療もしかり)、今後は地方の動物病院にも少しずつ設置されようになるかもしれません。まさか、うちの犬の検診で飼い主の私より先にPET検査、なんてことは…?


 しかしPETにPET、すごい時代になったものです。

 そのうちPETに粒子線治療、なんてことも。人間様と同額の実費300万円で!?
まあ、動物実験ではすでに粒子線治療を行ってますけどね。

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【2013/09/08 06:59】 | 放射線関連
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