今回の学会では、私もポスター発表をしました。
タイトルは「骨盤部放射線治療用術衣の試作と使用後患者アンケート調査」
某業者さんと共同製作したオリジナル骨盤部放射線治療用病衣の紹介。まだ試作段階なのですが、ここ数か月ほど希望された患者さんにご使用いただいております。
抄録集に掲載された要約(改変)を以下に転載します。抄録集をお持ちの方には別に紹介不要?…お持ちでなくても不要??
『骨盤部照射では、下腹部皮膚をほぼ露出した状態で患者の皮膚マーキングを元に治療寝台上でのセットアップを行うことが少なくない。正確な放射線治療実施に必要とはいえ、下半身を連日露出するのは、患者の立場からは羞恥心など精神的苦痛を少なからず感じるものである。また、病状によっては着衣などに体液が付着し、治療寝台が汚染される恐れもある。当院で昨年からオゴー先生らが開発した乳癌術後放射線治療用病衣「マンマスーツ」を導入した所、乳癌患者や治療担当放射線技師らに大変好評で、骨盤部での術衣も欲しいという現場の要望があった。そこでがん放射線療法看護認定看護師ら当院放射線治療部門スタッフと意見交換し、某株式会社と○×骨盤部治療用トランクスを共同試作したので紹介する。ディスポーザプルの紙製で、腹側と両側の3ヶ所がマーキング確認のため開閉できるようになっている。本年5月に院内採用承認を得たばかりであるが、セットアップの精度面、コスト面の評価に加え、今後使用される症例に着用感想のアンケート調査を併せて発表する予定である。調査項目は「着心地」「デザイン性」「耐久性」「着衣、セットアップの煩雑感」「羞恥感」』
最大のポイントは「放射線治療の時に極力下腹部を隠せる」こと。以下、骨盤部放射線治療用病衣→「穴あきパンツ」としました。
穴あきパンツ、普通にありそうなんですけど少なくとも私はこれまでみたことなかったんですよね。きっと実物があったほうがいいだろうと、ポスター会場には穴あきパンツも展示してみました。ブログでも実物の写真があったほうがわかりやすいと思うのですが、試作品の段階なので念のため公開は控えておきます。
アンケート調査結果ですが、たまたまご高齢の男性患者さんが多かったからか「別に恥ずかしくないから着ない」とか「めんどくさいから途中から着るのをやめた」というご意見もございました。もともとこのパンツは女性患者さんを主たるターゲットに立案したのですが、プロトタイプとはいえ今後いくつか改良が必要かもしれません。
もう少しアンケート集積を重ねて、来年どこかで第2報を報告できればと思ってます。
ポスター会場では、一部の看護師さんから「これ、欲しいよね」っていう嬉しいささやき声も聞こえました。看護師さんたちに見て評価してもらいたかったので、ひそかにうれしかったです。
穴あきパンツ、近いうちに製品化できて、多くの患者さんに喜んでもらえるといいなぁ。
学会の前夜祭では、穴あきパンツ製作のきっかけとなったマンマスーツを開発されたオゴー先生にもお会いできました。そして、美味しい赤ワインの力も借りて、先生が開発の際にご苦労された経験などいろいろなお話を伺えました。
「これからの放射線治療は、治療だけでなく、がん患者さんに対するアメニティ向上にも積極的に力を入れていくべきですよね!」などとほざく私の偉そうな気分をより高揚させていただける、とても実りある対話のひと時でした。オゴー先生、どうもありがとうございました。
ポスター発表を聴きに来てくれた看護師さんたちに着衣デモもありか?と、発表当日はスーツの下に穴あきパンツとオヤジの地肌を隠すためのランニング用タイツを履いていきました。午後の発表だったので、景気づけと緊張軽減のため、昼食で軽く一杯ひっかけつつ…
が、顔を赤らめながらドキドキの発表現場にいたのは真面目なこわい顔した男性(たぶん放射線腫瘍医や医学物理士さんたち)がほとんど。会場はあまりに場違いな空気が充満していたので、別の意味で恥ずかしくなり結局出さずじまいで終わってしまいました。
結果的にですが10月の青森はさすが朝晩の冷えこみが強く、ランニング用タイツはモモヒキとして大変役に立ちました。
タイトルは「骨盤部放射線治療用術衣の試作と使用後患者アンケート調査」
某業者さんと共同製作したオリジナル骨盤部放射線治療用病衣の紹介。まだ試作段階なのですが、ここ数か月ほど希望された患者さんにご使用いただいております。
抄録集に掲載された要約(改変)を以下に転載します。抄録集をお持ちの方には別に紹介不要?…お持ちでなくても不要??
『骨盤部照射では、下腹部皮膚をほぼ露出した状態で患者の皮膚マーキングを元に治療寝台上でのセットアップを行うことが少なくない。正確な放射線治療実施に必要とはいえ、下半身を連日露出するのは、患者の立場からは羞恥心など精神的苦痛を少なからず感じるものである。また、病状によっては着衣などに体液が付着し、治療寝台が汚染される恐れもある。当院で昨年からオゴー先生らが開発した乳癌術後放射線治療用病衣「マンマスーツ」を導入した所、乳癌患者や治療担当放射線技師らに大変好評で、骨盤部での術衣も欲しいという現場の要望があった。そこでがん放射線療法看護認定看護師ら当院放射線治療部門スタッフと意見交換し、某株式会社と○×骨盤部治療用トランクスを共同試作したので紹介する。ディスポーザプルの紙製で、腹側と両側の3ヶ所がマーキング確認のため開閉できるようになっている。本年5月に院内採用承認を得たばかりであるが、セットアップの精度面、コスト面の評価に加え、今後使用される症例に着用感想のアンケート調査を併せて発表する予定である。調査項目は「着心地」「デザイン性」「耐久性」「着衣、セットアップの煩雑感」「羞恥感」』
最大のポイントは「放射線治療の時に極力下腹部を隠せる」こと。以下、骨盤部放射線治療用病衣→「穴あきパンツ」としました。
穴あきパンツ、普通にありそうなんですけど少なくとも私はこれまでみたことなかったんですよね。きっと実物があったほうがいいだろうと、ポスター会場には穴あきパンツも展示してみました。ブログでも実物の写真があったほうがわかりやすいと思うのですが、試作品の段階なので念のため公開は控えておきます。
アンケート調査結果ですが、たまたまご高齢の男性患者さんが多かったからか「別に恥ずかしくないから着ない」とか「めんどくさいから途中から着るのをやめた」というご意見もございました。もともとこのパンツは女性患者さんを主たるターゲットに立案したのですが、プロトタイプとはいえ今後いくつか改良が必要かもしれません。
もう少しアンケート集積を重ねて、来年どこかで第2報を報告できればと思ってます。
ポスター会場では、一部の看護師さんから「これ、欲しいよね」っていう嬉しいささやき声も聞こえました。看護師さんたちに見て評価してもらいたかったので、ひそかにうれしかったです。
穴あきパンツ、近いうちに製品化できて、多くの患者さんに喜んでもらえるといいなぁ。
学会の前夜祭では、穴あきパンツ製作のきっかけとなったマンマスーツを開発されたオゴー先生にもお会いできました。そして、美味しい赤ワインの力も借りて、先生が開発の際にご苦労された経験などいろいろなお話を伺えました。
「これからの放射線治療は、治療だけでなく、がん患者さんに対するアメニティ向上にも積極的に力を入れていくべきですよね!」などとほざく私の偉そうな気分をより高揚させていただける、とても実りある対話のひと時でした。オゴー先生、どうもありがとうございました。
ポスター発表を聴きに来てくれた看護師さんたちに着衣デモもありか?と、発表当日はスーツの下に穴あきパンツとオヤジの地肌を隠すためのランニング用タイツを履いていきました。午後の発表だったので、景気づけと緊張軽減のため、昼食で軽く一杯ひっかけつつ…
が、顔を赤らめながらドキドキの発表現場にいたのは真面目なこわい顔した男性(たぶん放射線腫瘍医や医学物理士さんたち)がほとんど。会場はあまりに場違いな空気が充満していたので、別の意味で恥ずかしくなり結局出さずじまいで終わってしまいました。
結果的にですが10月の青森はさすが朝晩の冷えこみが強く、ランニング用タイツはモモヒキとして大変役に立ちました。
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