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放射線治療にたずさわっている赤ワインが好きな町医者です。緩和医療や在宅医療、統合医療にも関心があります。仕事上の、医療関係の、趣味や運動の、その他もろもろの随想を不定期に更新する予定です。
 STAP細胞で一躍時の人となった小保方晴子さん。リケジョ(理系女子)という言葉もメディアを賑わせています。彼女の画期的な大発見はもちろんのこと、そこに至るまでに人一倍の努力を重ねてきたと報道されている研究に対する姿勢と努力もお見事です。

 小保方さんは入浴中のくつろいでいる時にアイデアが閃いたとTV報道されていました。iPS細胞の山中さんもそうらしい?リラックスした時間ってやっぱり大切なのでしょう。そういえば、アルキメデスの原理発見も入浴時に閃いたという逸話がありましたね。あれは、風呂に入った瞬間でしたっけ?
 最近、シャワーを浴びるだけのことが多かった私ですが、湯船でくつろぐ回数をもっと増やそうかなぁ。「お前、実験なんてしてないだろ!」ですか?まあ、その通りですが。

 とりあえず、日々の出来事に対し常に問題・疑問の意識を持ち、言われるがまま、なんとなくといった思考停止状態に陥らないようには気をつけないと。いつ何時、どんな発見があるかわかりませんから。チャンスの女神は前髪しかない、ともいいますし。
 ここだけの話なのですが、実はだんだん少なくなってきていて…無くなる前につかんでおきたい所です(笑)


 で、リケジョ

 医学部受験も多くの大学で理系科目が主であり、また現在の(西洋)医学というのは科学的根拠を重視していますから、女医さんもリケジョでしょうね。
 というか、男女関係なく医者の思考・成育環境というのは基本的に理系です。しかしながら、がんの臨床現場では文系要素もすごく重視されてきます。ちなみにここでの「理系」とは科学的根拠(エビデンス)に基づく医療=エビデンスベイストメディシン;Evidence-based medicine (EBM)、「文系」とは患者さんやご家族の希望・価値観を重視した医療=ナラティブメディシン;Narrative (-based) medicineのこと。私なりの言いかえなので、どうかあしからず。

 がんの三大治療は、手術、抗がん剤(化学療法)、放射線治療です。どの治療法も理系が原則になりますし、どの診療科でも文系は大切です。

 しかし、それぞれの分野の医者集団の傾向はいささか違うような印象が私にはあります。放射線腫瘍医は多くのコンピュータに囲まれた職場環境ということもあってか濃い理系、化学療法医は進行・再発がん患者さんを多く診療されるからでしょうか緩和医療にも造詣の深い先生が多数いらっしゃって文系、そして外科医は総じて体育会系、といった感じです。
 もちろん外科医でも化学療法医でも、文系も理系も芸術系も得意な方は多数いらっしゃいますし(実際に趣味の世界を超えた作家や画家、音楽家の方もいます)、放射線腫瘍医も然り、です。なお、これはエビデンスのない田舎の町医者のなんとなくですし、さして深い意味はないつもりなので、その点はどうぞご容赦ください。

 ちなみに緩和医は芸術的要素の強い文系、でしょうか?癒しの音楽療法がありますし、宗教的アプローチもあります。また緩和の先生方のご講演や論文やメディア記事、ブログやFacebook投稿などを拝見すると、そして常に死の臨床に接しておられるからか、皆さん大変感受性の豊かな文章表現と上手な語り、感心させられることしばしばです。

 実は、昔の放射線腫瘍(治療)科はどちらかというと文系に近い診療科でした。少なくとも私が見聞きした限りでは、ですが。


(まだあるのですが、続きはその2としました)

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【2014/02/02 23:03】 | 放射線治療:よもやま話
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