緩和ケア領域でもアカシジアの出やすい薬は多数あります。抗うつ剤とか抗精神病薬とか麻薬系鎮痛剤とか。前回も書きましたが、不眠や徘徊や不穏の原因にもなりうるものらしいです。
「がんだから」とか「高齢だから」とかと決めつけないほうがいいみたいです。薬の影響って意外にありますから。自省を込めて、です…
専門でない私が書くのも大変恐縮なのですが、さすが緩和ケア科の先生方はみなさんアカシジアをよくご存知です。
一方、一般診療科の先生方は言葉を聞いたことはあっても、アカシジア(を含めた錐体外路症状)をさほど意識せずに「がんの症状だから」とか「抗がん剤の副作用だから」と思い込んでいるケースって実は少なくないかもしれません(確固たる根拠はありません)。
まあ私もそんなおバカ臨床医だった(過去形にさせてください…)わけですが、自分がアカシジア様症状を呈して以降は、「たかがプリンぺラン、されどプリンぺラン」と意識するようになりました。
が、その後もプリンぺランやノバミンの錠剤内服で明らかなアカシジアを疑う症例を私は経験したことはありません。私と同様にプリンぺラン注射剤で数例アカシジアを疑う症例は何例かいましたが。(偉そうに書きましたが)もし夜間不眠などで見逃している症例があったらごめんなさい。
だから個人的にはプリンぺランの注射はそんなに好きじゃありません。筋注は2mlで量が多くて痛いし…。もちろん吐き気はとてもつらいので、必要なら処方いたします。
抗がん剤ほどの頻度ではないものの、放射線治療の時も放射線宿酔で吐き気をもよおす方が時にいらっしゃいます。
放射線宿酔については、「国立がん研究センターがん対策情報センターHP 放射線治療を受ける方へ」に『消化器への照射以外の場合でも、照射開始後数日間に食欲低下や嘔気・嘔吐が出現する場合もありますが、出現頻度としてはまれです。放射線宿酔の場合は、通常2~3日で症状は軽快します。』との説明が掲載されています。
なぜ放射線治療初期に放射線宿酔が起きやすいのかはっきりしたことは証明されていませんが、放射線治療に伴う過酸化物質やアレルギー物質の発生が関係しているのでは?という推測もされているようです。
抗がん剤と同様に放射線宿酔は、以前はプリンぺランやノバミンでの吐き気対策が中心でした。
最近になって抗がん剤の吐き気止めに大変効果のあるカイトリル(一般名グラニセトロン)というお薬が「放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」についても国が投与を承認しました。
これって、他科の先生方にはまだ充分知れわたっていないですか?
実際の所、放射線宿酔が出現する頻度というのはそう多くないので、照射範囲が広い患者さんや以前放射線宿酔を経験したことのある患者さん以外に、放射線宿酔予防に最初からカイトリルを投与する医者はあまりいないかもしれません(少なくとも私の知っている範囲ですが)。
たいていは軽い吐き気の症状が出てから処方をする(と思っている)のですが、実はカイトリルって結構高価です。プリンぺランの100倍くらいします。以前、同僚の先生が外来でカイトリル錠を数日分(?)処方した時のお会計伝票をみた患者さんから「びっくりした。なんでお値段が高い薬ってきちんと説明してくれなかったの?」と苦情を申し立てられたことがありました。
なので、やっぱり安価なプリンぺラン錠を出す場合もそれなりにあります。ただ、凄く効く人ってそんなに多くない…気がするんですけど、どうですか?
ちなみにカイトリルがアカシジアの症状をきたすことは(まず)ないらしいです。
(どうでもいいことですが)私のことを書くと、自分の二日酔いに対してもプリンぺラン錠が明らかに効いたことはありません。自分に注射したのはあの時だけです。薬が効かない体質なのか、「そもそも」の問題なのか?
五苓散、柴苓湯、因陳五苓散、など漢方薬が二日酔いに効果的なこともあるようですが、個人的には五十歩百歩かな。ウコンもシジミもカプサイシンも何度か試したことはあります…
カイトリルは抗がん剤も照射もしていないから保険適応がありませんし。でも、はたして(私の)二日酔いに効くのだろうか?
そういえば先日、『「どんなに二日酔いがつらくても人は結局また酒を飲む!!」との米大学調査結果』という記事を目にしました。つらい二日酔いは次の飲酒の機会に対し、ごくごく控えめにしか影響しないことがわかったそうです。
http://irorio.jp/sousuke/20140305/118045/
なるほど~! わかっていても同じことを繰り返すのは、ただのおバカってことでしょうね。どうも私のまわりには少なくないようです…
類は友を呼ぶ、ですか?
ということで、タイトルの「アカシジアと放射線宿酔」、つながりはほとんどなかったですね。共通項はプリンぺランってだけでした。
マ イーヤー ソンもしてないし…どうも、失礼いたしました。
「がんだから」とか「高齢だから」とかと決めつけないほうがいいみたいです。薬の影響って意外にありますから。自省を込めて、です…
専門でない私が書くのも大変恐縮なのですが、さすが緩和ケア科の先生方はみなさんアカシジアをよくご存知です。
一方、一般診療科の先生方は言葉を聞いたことはあっても、アカシジア(を含めた錐体外路症状)をさほど意識せずに「がんの症状だから」とか「抗がん剤の副作用だから」と思い込んでいるケースって実は少なくないかもしれません(確固たる根拠はありません)。
まあ私もそんなおバカ臨床医だった(過去形にさせてください…)わけですが、自分がアカシジア様症状を呈して以降は、「たかがプリンぺラン、されどプリンぺラン」と意識するようになりました。
が、その後もプリンぺランやノバミンの錠剤内服で明らかなアカシジアを疑う症例を私は経験したことはありません。私と同様にプリンぺラン注射剤で数例アカシジアを疑う症例は何例かいましたが。(偉そうに書きましたが)もし夜間不眠などで見逃している症例があったらごめんなさい。
だから個人的にはプリンぺランの注射はそんなに好きじゃありません。筋注は2mlで量が多くて痛いし…。もちろん吐き気はとてもつらいので、必要なら処方いたします。
抗がん剤ほどの頻度ではないものの、放射線治療の時も放射線宿酔で吐き気をもよおす方が時にいらっしゃいます。
放射線宿酔については、「国立がん研究センターがん対策情報センターHP 放射線治療を受ける方へ」に『消化器への照射以外の場合でも、照射開始後数日間に食欲低下や嘔気・嘔吐が出現する場合もありますが、出現頻度としてはまれです。放射線宿酔の場合は、通常2~3日で症状は軽快します。』との説明が掲載されています。
なぜ放射線治療初期に放射線宿酔が起きやすいのかはっきりしたことは証明されていませんが、放射線治療に伴う過酸化物質やアレルギー物質の発生が関係しているのでは?という推測もされているようです。
抗がん剤と同様に放射線宿酔は、以前はプリンぺランやノバミンでの吐き気対策が中心でした。
最近になって抗がん剤の吐き気止めに大変効果のあるカイトリル(一般名グラニセトロン)というお薬が「放射線照射に伴う消化器症状(悪心、嘔吐)」についても国が投与を承認しました。
これって、他科の先生方にはまだ充分知れわたっていないですか?
実際の所、放射線宿酔が出現する頻度というのはそう多くないので、照射範囲が広い患者さんや以前放射線宿酔を経験したことのある患者さん以外に、放射線宿酔予防に最初からカイトリルを投与する医者はあまりいないかもしれません(少なくとも私の知っている範囲ですが)。
たいていは軽い吐き気の症状が出てから処方をする(と思っている)のですが、実はカイトリルって結構高価です。プリンぺランの100倍くらいします。以前、同僚の先生が外来でカイトリル錠を数日分(?)処方した時のお会計伝票をみた患者さんから「びっくりした。なんでお値段が高い薬ってきちんと説明してくれなかったの?」と苦情を申し立てられたことがありました。
なので、やっぱり安価なプリンぺラン錠を出す場合もそれなりにあります。ただ、凄く効く人ってそんなに多くない…気がするんですけど、どうですか?
ちなみにカイトリルがアカシジアの症状をきたすことは(まず)ないらしいです。
(どうでもいいことですが)私のことを書くと、自分の二日酔いに対してもプリンぺラン錠が明らかに効いたことはありません。自分に注射したのはあの時だけです。薬が効かない体質なのか、「そもそも」の問題なのか?
五苓散、柴苓湯、因陳五苓散、など漢方薬が二日酔いに効果的なこともあるようですが、個人的には五十歩百歩かな。ウコンもシジミもカプサイシンも何度か試したことはあります…
カイトリルは抗がん剤も照射もしていないから保険適応がありませんし。でも、はたして(私の)二日酔いに効くのだろうか?
そういえば先日、『「どんなに二日酔いがつらくても人は結局また酒を飲む!!」との米大学調査結果』という記事を目にしました。つらい二日酔いは次の飲酒の機会に対し、ごくごく控えめにしか影響しないことがわかったそうです。
http://irorio.jp/sousuke/20140305/118045/
なるほど~! わかっていても同じことを繰り返すのは、ただのおバカってことでしょうね。どうも私のまわりには少なくないようです…
類は友を呼ぶ、ですか?
ということで、タイトルの「アカシジアと放射線宿酔」、つながりはほとんどなかったですね。共通項はプリンぺランってだけでした。
マ イーヤー ソンもしてないし…どうも、失礼いたしました。
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カリメロ プリンペラン錠剤のんでアカシジアがでたことあります!
JIN カリメロさん、なるほど、プリンぺラン錠でもやっぱり起きるんですね…貴重な体験談をありがとうございます(返信遅くなり申し訳ございません)。
気をつけねば!
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