今年の日本緩和医療学会は久しぶりに(といっても私は初の)京都開催でした。ここ数年の本学会は採択される一般演題が毎年1000を超え、参加者も看護師さんなど女性がとても多く、京都国際会議場で大丈夫かな?と思っていましたが、私が聞きに行ったセッションは結構席に余裕がありました。
もちろん聴きたかったランチョンセミナーには入れませんでした。
今回の私個人の学術大会テーマは「エビデンス」。最近は多くの学会でいろいろな診療ガイドラインが次々と刊行されていますが、今年は日本緩和医療学会でも3つのガイドラインが改定されました。「がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン」、「がん患者の泌尿器症状の緩和に関するガイドライン」、そして「がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス」の3つ。
いずれも学術大会の中でそれぞれのセッションがあり、各ガイドライン作成ワーキンググループのメンバーが改定の経緯やポイントなどを解説してくださりました。全部聴きに行きました。書籍販売でもこれらガイドラインは結構目立っていましたし、私もちゃんと3冊買いました…実をいうと補完代替療法のやつはAmazonですでにネット予約していたため自宅にはまだ届いておりません。学会で先行販売していると事前に知っていればネット注文していなかったのになあ。
他にも、Up To Dateやがん悪液質管理などのエビデンス系講演をいろいろ拝聴してきました。
診療ガイドラインについては医者によって様々な意見がありますよね。専門家が集結してまとめた標準的な治療方針として絶対視する先生、(時が経てば経つほど)最新の臨床試験論文が示されていないことに加え限られた紙面であることから平均的な(漠然とした)表現にとどまる記載が少なくなくあまりあてになさっていない先生、そしてそもそも経験と勘に頼り全く読まない先生、など私の知る限りですがいろいろな先生がいらっしゃいます。
個人的には、ガイドライン鵜呑みはいかがなものかと思いつつ、思い込みや勘違いを避けるための信頼度高いセーフティーネットという位置づけでガイドラインを拝読させていただいております。あまりに発刊数が多すぎて全部の診療ガイドラインを読んでいるわけではないのですが…
ちなみに今回購入したガイドラインもまだ読んでおりません。無料サービス宅配便で今夜届きましたので。そのうちブログの話題にするかもしれません。
私、今年で6年連続の学術大会参加となりました。去年までは4年連続で演題発表をしてきたのですが、病院移籍をしたこともありこれといった演題候補がみつからなかったので今年は演題発表なしでの参加となりました。某委員会にメンバーとして出席という立派な大義名分はありましたけれど。
JASTROのN先生から「学会発表、無いの?」というご指摘をいただきました。来年は演題エントリーします。
JASTRO(日本放射線腫瘍学会)のN先生…ご高名な理事長の西村先生、専務理事の根本先生をはじめ、JASTROにはいろいろなN先生がいらっしゃると思いませんか?ジェントルマンから〇人までいろいろ、個性派が多い気がします。以前、某女医さんとこの話題で盛り上がりました。JASTROの先生方、あなたのご存じのN先生はいかがでしょうか?
今年のポスター発表は紙でなくe-posterのみでした。ここ最近1000件を超える発表なので会場に多数張られる紙ポスターを見るだけでヘトヘトになってしまうのは確かではありますが、それでもザーっと短時間で眺め(≒速読し)ながら気になる発表で立ち止まりチェックできるのは今思うと悪くなかったように思います。「学会終了後にゆっくりPCで閲覧」…私、たぶんいちいち全部を開くことなんてしないんですよね。そして、現地で直接発表者と対談できるのはやっぱり魅力です。ポスター発表が同じ時間帯に多会場で一気に行われるのも困りものですが、なんとかならないものかなあ?
来年の第22回学術大会は帝京大学の有賀先生が大会長で横浜開催だそうです。メインテーマは「集い対話する」、今から楽しみです。スィーツセミナーもあるそうです。
http://jspm2017.umin.jp/greeting/index.html
今年は日本臨床腫瘍学会との合同企画シンポジウム「がん治療と緩和医療の統合のための相互教育」がありましたが、来年は日本放射線腫瘍学会との合同企画があってもいいなと思いました。テーマは緩和的放射線治療…ありきたりですかね。
繰り返しになりますが、来年から再び演題エントリーいたします。陽子線治療関連の発表って過去にあったのだろうか?BNCTも緩和医療に役立ちそうです。あ、サイバーナイフも。

もちろん聴きたかったランチョンセミナーには入れませんでした。
今回の私個人の学術大会テーマは「エビデンス」。最近は多くの学会でいろいろな診療ガイドラインが次々と刊行されていますが、今年は日本緩和医療学会でも3つのガイドラインが改定されました。「がん患者の呼吸器症状の緩和に関するガイドライン」、「がん患者の泌尿器症状の緩和に関するガイドライン」、そして「がんの補完代替療法クリニカル・エビデンス」の3つ。
いずれも学術大会の中でそれぞれのセッションがあり、各ガイドライン作成ワーキンググループのメンバーが改定の経緯やポイントなどを解説してくださりました。全部聴きに行きました。書籍販売でもこれらガイドラインは結構目立っていましたし、私もちゃんと3冊買いました…実をいうと補完代替療法のやつはAmazonですでにネット予約していたため自宅にはまだ届いておりません。学会で先行販売していると事前に知っていればネット注文していなかったのになあ。
他にも、Up To Dateやがん悪液質管理などのエビデンス系講演をいろいろ拝聴してきました。
診療ガイドラインについては医者によって様々な意見がありますよね。専門家が集結してまとめた標準的な治療方針として絶対視する先生、(時が経てば経つほど)最新の臨床試験論文が示されていないことに加え限られた紙面であることから平均的な(漠然とした)表現にとどまる記載が少なくなくあまりあてになさっていない先生、そしてそもそも経験と勘に頼り全く読まない先生、など私の知る限りですがいろいろな先生がいらっしゃいます。
個人的には、ガイドライン鵜呑みはいかがなものかと思いつつ、思い込みや勘違いを避けるための信頼度高いセーフティーネットという位置づけでガイドラインを拝読させていただいております。あまりに発刊数が多すぎて全部の診療ガイドラインを読んでいるわけではないのですが…
ちなみに今回購入したガイドラインもまだ読んでおりません。無料サービス宅配便で今夜届きましたので。そのうちブログの話題にするかもしれません。
私、今年で6年連続の学術大会参加となりました。去年までは4年連続で演題発表をしてきたのですが、病院移籍をしたこともありこれといった演題候補がみつからなかったので今年は演題発表なしでの参加となりました。某委員会にメンバーとして出席という立派な大義名分はありましたけれど。
JASTROのN先生から「学会発表、無いの?」というご指摘をいただきました。来年は演題エントリーします。
JASTRO(日本放射線腫瘍学会)のN先生…ご高名な理事長の西村先生、専務理事の根本先生をはじめ、JASTROにはいろいろなN先生がいらっしゃると思いませんか?ジェントルマンから〇人までいろいろ、個性派が多い気がします。以前、某女医さんとこの話題で盛り上がりました。JASTROの先生方、あなたのご存じのN先生はいかがでしょうか?
今年のポスター発表は紙でなくe-posterのみでした。ここ最近1000件を超える発表なので会場に多数張られる紙ポスターを見るだけでヘトヘトになってしまうのは確かではありますが、それでもザーっと短時間で眺め(≒速読し)ながら気になる発表で立ち止まりチェックできるのは今思うと悪くなかったように思います。「学会終了後にゆっくりPCで閲覧」…私、たぶんいちいち全部を開くことなんてしないんですよね。そして、現地で直接発表者と対談できるのはやっぱり魅力です。ポスター発表が同じ時間帯に多会場で一気に行われるのも困りものですが、なんとかならないものかなあ?
来年の第22回学術大会は帝京大学の有賀先生が大会長で横浜開催だそうです。メインテーマは「集い対話する」、今から楽しみです。スィーツセミナーもあるそうです。
http://jspm2017.umin.jp/greeting/index.html
今年は日本臨床腫瘍学会との合同企画シンポジウム「がん治療と緩和医療の統合のための相互教育」がありましたが、来年は日本放射線腫瘍学会との合同企画があってもいいなと思いました。テーマは緩和的放射線治療…ありきたりですかね。
繰り返しになりますが、来年から再び演題エントリーいたします。陽子線治療関連の発表って過去にあったのだろうか?BNCTも緩和医療に役立ちそうです。あ、サイバーナイフも。

今月からうちの施設でも同じ県内の大学病院さんで治療を受けられる小児がん患者さんの陽子線治療を担当させていただくこととなりました。
以前のブログでもご紹介しましたが、陽子線治療はこの4月からついに小児がん限定で保険診療が可能となりました。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-147.html
はじめに陽子線治療の利点を簡単にご説明します。放射線治療で一般に用いられるX線というのは、身体に入る表面付近の照射エネルギーが最も強く、X線が深く進むにつれ徐々に弱くなりつつ最後は身体の反対側まで突き抜ける性質があります。一方で陽子線は、身体に入る表面付近の照射エネルギーは比較的弱く、ある深さに到達すると突然最大エネルギー部分(ブラッグピーク:Bragg peak) が現れ、さらにそのピークを過ぎると急に陽子が組織内で止まり、その先の被ばくはほぼ0に抑えることができるという特徴的な性質を有しています。この特徴を活かして治療したい部分にブラッグピークの位置を合わせれば、がんに集中して強い放射線を照射し、周囲の正常部分の損傷は劇的に減らせる利点があります。
言葉だけの説明では難しかったでしょうか…?
小児がんはきちんと治療すればしっかり治る病状が多く、一方で成長障害や二次発がんといった将来への影響も成人のがんよりかなり慎重に考慮しなければなりません。そのため、がんのタイプ毎に全国共通の臨床試験という形で登録され、治療内容もほぼ統一されているそうです。ちなみに小児がんに対する放射線治療は、一部疾患を除き手術や抗がん剤で縮小・消失させた後の残存がん病巣を対象とし、およそ規定された照射線量や範囲で行われることが多いです。
ただ、従来のX線治療だと先ほど書いた「身体の反対側まで突き抜ける性質」などのため病巣近くの正常組織への被ばくがそれなりの割合で発生してしまい、がんが治癒した後に低身長や変形といった骨の成長障害や脳の発育機能障害や二次発がんなどの後遺症が問題とされてきました。
今回の小児がんに対する陽子線治療の保険適応で特に期待されることは、ブラッグピークという特徴を活かしがん病巣に集中照射することで、将来起こりうる正常臓器の成長・機能障害や二次発がんを極力抑えることができたり、従来のX線では正常組織の副作用・後遺症が強く出て放射線治療そのものが困難な巨大腫瘍でも強い放射線量を照射できることです。
もちろん、成人のがんでも陽子線治療は同じような治療内容のX線治療より副作用をほぼ確実に減らせますし、巨大ながんに対しても有効です。ただ、残念ながら現時点ではまだ充分な国内治療成績が出せていないという主な理由で厚生労働省さんからの適応承認が得られず、この4月からは条件付きで引き続き先進医療が可能となりました。
とはいえ、高額というお金の問題を除けば陽子線治療はX線治療と同等以上の優れた放射線治療です。実際に陽子線治療の診療をたずさわらせていただいてそう実感します。陽子線とX線の違い(私がこれまで感じた臨床上の利点、欠点など)についてはいずれまた別の機会で触れてみたいと思います。
さて、小児がん患者さんに対する陽子線治療の臨床運用なのですが、いざ始めるとなるといろいろな課題も挙がってきました。
第一の課題は、特に幼児の場合は正確な位置に動かず陽子線治療を行うため全身麻酔を毎回要することです。通常のX線治療でも同様なのですが、麻酔科の先生方のご協力が不可欠になります。そうでなくても通常の手術などご多忙な麻酔科の先生方に遠路陽子線治療部門まで毎日足を運んでいただき、麻酔導入から照射中の麻酔維持管理、そして照射後の覚醒と、1人の症例につき毎回1時間前後は要する麻酔をかけていただくのは(傍から見ていても)とても大変な業務負担です。しかも一連の治療で平日毎日、数週間もかかります。とはいえ、私たち放射線腫瘍医が見よう見まねで簡単にできる診療行為ではなさそうです。
うちの麻酔科の先生がたには打ち合わせの段階からとても前向きにご協力をいただいており、感謝の限りです。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
第二の課題はうちの施設の場合ですが、大学病院入院治療中の方を毎回送迎する形で陽子線治療を行う必要があります。施設間の距離がそれなりにありますので、患者さんやご家族はもちろん、送迎スタッフも毎日となるとなかなか大変です。今の所は自動車で毎回送迎をさせていただく形で運用開始しています。
うちの施設に特殊な小児がんを専門とされる常勤のお医者さんがいらっしゃって入院管理していただければ良いのですが、マンパワーや診療体制の問題もあり難しい現状です。また、小児がん治療は大学病院のような専門施設で診療を集約化した方がやはり安全かつ効率的なのだそうです。今後予想される県外施設からご紹介の方に関しても、大学病院の先生方に入院管理していただきながら陽子線治療を行うことになりそうです。
退院が可能な一般状態であれば、遠方の方でも近隣施設に宿泊しながら通院治療も選択肢になるでしょう。ちなみにうちの陽子線治療施設の隣には病院系列の「無料温泉大浴場付き」宿泊施設が併設されています。各部屋バリアフリーの綺麗なフローリングで自炊可能なIH調理器や冷蔵庫なども付いた出来たてビジネスホテル的な宿泊施設です。なんと一泊三千円(お食事別)!
その他の課題…ですが(企業秘密もちょっと絡んできそうので)今回は触れないでおきます。
大学病院の諸先生方を筆頭にいろいろな方々に引き続きご指導を賜りつつ、今後も必要に応じていろいろなカイゼンをしながら、安全かつ適切な小児がんの陽子線治療をスタッフ一同でご提供していく所存です。私、施設長ではないのですが代理コメントということでご容赦ください。
治療初日に際しては国立成育医療センターさん関連の緒先生方にもわざわざ足を運んでいただき、現場ご指導や施設内での特別講演も拝聴させていただきました。まことにありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
また、大学病院さんと陽子線治療連携業務をさせていただくことを機に、うちの施設も日本小児がん研究グループ(JCCG)の会員施設登録(放射線治療のみ)申請をすることになりました。こちらはおそれ多くも私が施設研究責任者で登録させていただくことになりました。こちらもどうぞよろしくお願い申し上げます。

以前のブログでもご紹介しましたが、陽子線治療はこの4月からついに小児がん限定で保険診療が可能となりました。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-147.html
はじめに陽子線治療の利点を簡単にご説明します。放射線治療で一般に用いられるX線というのは、身体に入る表面付近の照射エネルギーが最も強く、X線が深く進むにつれ徐々に弱くなりつつ最後は身体の反対側まで突き抜ける性質があります。一方で陽子線は、身体に入る表面付近の照射エネルギーは比較的弱く、ある深さに到達すると突然最大エネルギー部分(ブラッグピーク:Bragg peak) が現れ、さらにそのピークを過ぎると急に陽子が組織内で止まり、その先の被ばくはほぼ0に抑えることができるという特徴的な性質を有しています。この特徴を活かして治療したい部分にブラッグピークの位置を合わせれば、がんに集中して強い放射線を照射し、周囲の正常部分の損傷は劇的に減らせる利点があります。
言葉だけの説明では難しかったでしょうか…?
小児がんはきちんと治療すればしっかり治る病状が多く、一方で成長障害や二次発がんといった将来への影響も成人のがんよりかなり慎重に考慮しなければなりません。そのため、がんのタイプ毎に全国共通の臨床試験という形で登録され、治療内容もほぼ統一されているそうです。ちなみに小児がんに対する放射線治療は、一部疾患を除き手術や抗がん剤で縮小・消失させた後の残存がん病巣を対象とし、およそ規定された照射線量や範囲で行われることが多いです。
ただ、従来のX線治療だと先ほど書いた「身体の反対側まで突き抜ける性質」などのため病巣近くの正常組織への被ばくがそれなりの割合で発生してしまい、がんが治癒した後に低身長や変形といった骨の成長障害や脳の発育機能障害や二次発がんなどの後遺症が問題とされてきました。
今回の小児がんに対する陽子線治療の保険適応で特に期待されることは、ブラッグピークという特徴を活かしがん病巣に集中照射することで、将来起こりうる正常臓器の成長・機能障害や二次発がんを極力抑えることができたり、従来のX線では正常組織の副作用・後遺症が強く出て放射線治療そのものが困難な巨大腫瘍でも強い放射線量を照射できることです。
もちろん、成人のがんでも陽子線治療は同じような治療内容のX線治療より副作用をほぼ確実に減らせますし、巨大ながんに対しても有効です。ただ、残念ながら現時点ではまだ充分な国内治療成績が出せていないという主な理由で厚生労働省さんからの適応承認が得られず、この4月からは条件付きで引き続き先進医療が可能となりました。
とはいえ、高額というお金の問題を除けば陽子線治療はX線治療と同等以上の優れた放射線治療です。実際に陽子線治療の診療をたずさわらせていただいてそう実感します。陽子線とX線の違い(私がこれまで感じた臨床上の利点、欠点など)についてはいずれまた別の機会で触れてみたいと思います。
さて、小児がん患者さんに対する陽子線治療の臨床運用なのですが、いざ始めるとなるといろいろな課題も挙がってきました。
第一の課題は、特に幼児の場合は正確な位置に動かず陽子線治療を行うため全身麻酔を毎回要することです。通常のX線治療でも同様なのですが、麻酔科の先生方のご協力が不可欠になります。そうでなくても通常の手術などご多忙な麻酔科の先生方に遠路陽子線治療部門まで毎日足を運んでいただき、麻酔導入から照射中の麻酔維持管理、そして照射後の覚醒と、1人の症例につき毎回1時間前後は要する麻酔をかけていただくのは(傍から見ていても)とても大変な業務負担です。しかも一連の治療で平日毎日、数週間もかかります。とはいえ、私たち放射線腫瘍医が見よう見まねで簡単にできる診療行為ではなさそうです。
うちの麻酔科の先生がたには打ち合わせの段階からとても前向きにご協力をいただいており、感謝の限りです。どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます。
第二の課題はうちの施設の場合ですが、大学病院入院治療中の方を毎回送迎する形で陽子線治療を行う必要があります。施設間の距離がそれなりにありますので、患者さんやご家族はもちろん、送迎スタッフも毎日となるとなかなか大変です。今の所は自動車で毎回送迎をさせていただく形で運用開始しています。
うちの施設に特殊な小児がんを専門とされる常勤のお医者さんがいらっしゃって入院管理していただければ良いのですが、マンパワーや診療体制の問題もあり難しい現状です。また、小児がん治療は大学病院のような専門施設で診療を集約化した方がやはり安全かつ効率的なのだそうです。今後予想される県外施設からご紹介の方に関しても、大学病院の先生方に入院管理していただきながら陽子線治療を行うことになりそうです。
退院が可能な一般状態であれば、遠方の方でも近隣施設に宿泊しながら通院治療も選択肢になるでしょう。ちなみにうちの陽子線治療施設の隣には病院系列の「無料温泉大浴場付き」宿泊施設が併設されています。各部屋バリアフリーの綺麗なフローリングで自炊可能なIH調理器や冷蔵庫なども付いた出来たてビジネスホテル的な宿泊施設です。なんと一泊三千円(お食事別)!
その他の課題…ですが(企業秘密もちょっと絡んできそうので)今回は触れないでおきます。
大学病院の諸先生方を筆頭にいろいろな方々に引き続きご指導を賜りつつ、今後も必要に応じていろいろなカイゼンをしながら、安全かつ適切な小児がんの陽子線治療をスタッフ一同でご提供していく所存です。私、施設長ではないのですが代理コメントということでご容赦ください。
治療初日に際しては国立成育医療センターさん関連の緒先生方にもわざわざ足を運んでいただき、現場ご指導や施設内での特別講演も拝聴させていただきました。まことにありがとうございました。今後ともどうぞよろしくお願い申し上げます。
また、大学病院さんと陽子線治療連携業務をさせていただくことを機に、うちの施設も日本小児がん研究グループ(JCCG)の会員施設登録(放射線治療のみ)申請をすることになりました。こちらはおそれ多くも私が施設研究責任者で登録させていただくことになりました。こちらもどうぞよろしくお願い申し上げます。

今年も東北風土マラソンに出場してきました。2年連続2回目の参加です。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-125.html
前回の反省
1.そもそもフルマラソン42.195kmはキツく、しかもろくに走ってない冬眠明けの4月
2.数km毎に止まって(食べて)走るのはインターバル走に近い
3.タイムを気にせず楽しく食べ走りたい
を踏まえて、今回はハーフマラソンにエントリーしました。
フルマラソンだと、くりこま高原駅着の当日朝一新幹線で行かないとスタート時間に間に合いません。しかしハーフは少し遅れてのスタートなのでその次の新幹線でも大丈夫だろうとタカをくくったら、くりこま高原駅に到着しても他の参加者で会場までのシャトルバスを待っていた人はいませんでした。しかも肝心のシャトルバスも駅に待機なし。
(ちょっと焦りながら)くりこま高原駅前で20分ほど待たされ、ようやくバスが到着。なんとかスタート10分前に現地到着で間に合いましたが、新幹線到着時間に合わせてバスを待機していてほしいものです。来年はやっぱり朝一新幹線…?(参加する気満々です:笑)
第3回の今年の参加者は「全国からおよそ3800人が参加」(NHK東北NEWS WEBより引用)だそうで、見学者を含め年々増えてきているようです。たしかに楽しいし、これからも参加者は増えるのでしょうね。今の所は他の大会のように抽選とか早いもの勝ちみたいなことはないのですが、いずれは…?
NHKさんの映像があります。私はもちろん映っていません。
http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20160424/4702921.html
私、はなから今年はタイムを気にせずおさんぽ感覚で臨んだので、途中10km過ぎから早くもちょっと膝が笑いかけましたが(おさんぽ感覚であっても止まって走るの繰り返し)、昨年よりはるかに楽しい21km強でした。まだ少し桜のお花見もできましたし、長沼の緑あふれる光景はどこからみても美しいですし、体感気温も春っぽくほどほどでしたし。
そして今年もいろいろな地元食材がコースのエイドに置いてありました。さんま、めかぶ、そば、はっと汁、ほや、あかもく、ソーセージ、ふかひれスープ、みそきゅうり、わかめ餃子。どれも美味しかったです。
ゴールすると完走おにぎりに完走みそ汁、そして東北各地の日本酒試飲5枚チケット(日本酒フェスティバル)。出店もいろいろ。そして、フランスのあのメドックマラソンからの出店が今年もあり、赤ワインがタダで飲めました!
近い将来、やっぱりメドックマラソンにも参加したいですね。フルマラソンだけど(笑)
そしてゴール付近の併設屋外ステージでは、サンプラザ中野さんのプチライブもありました。みんながよく知る「ランナー」がトリの曲で、自発的に(私を含めた)多くのランナーたちがステージ前で踊って合唱して(一瞬)かなり盛り上がりました。去年もサンプラザ中野さんご招待だったそうですが、もしかすると恒例行事になる?
東北風土マラソン、やっぱり楽しいです。来年もぜひ参加します(たぶんハーフで)。みなさんもいかが?

http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-125.html
前回の反省
1.そもそもフルマラソン42.195kmはキツく、しかもろくに走ってない冬眠明けの4月
2.数km毎に止まって(食べて)走るのはインターバル走に近い
3.タイムを気にせず楽しく食べ走りたい
を踏まえて、今回はハーフマラソンにエントリーしました。
フルマラソンだと、くりこま高原駅着の当日朝一新幹線で行かないとスタート時間に間に合いません。しかしハーフは少し遅れてのスタートなのでその次の新幹線でも大丈夫だろうとタカをくくったら、くりこま高原駅に到着しても他の参加者で会場までのシャトルバスを待っていた人はいませんでした。しかも肝心のシャトルバスも駅に待機なし。
(ちょっと焦りながら)くりこま高原駅前で20分ほど待たされ、ようやくバスが到着。なんとかスタート10分前に現地到着で間に合いましたが、新幹線到着時間に合わせてバスを待機していてほしいものです。来年はやっぱり朝一新幹線…?(参加する気満々です:笑)
第3回の今年の参加者は「全国からおよそ3800人が参加」(NHK東北NEWS WEBより引用)だそうで、見学者を含め年々増えてきているようです。たしかに楽しいし、これからも参加者は増えるのでしょうね。今の所は他の大会のように抽選とか早いもの勝ちみたいなことはないのですが、いずれは…?
NHKさんの映像があります。私はもちろん映っていません。
http://www3.nhk.or.jp/tohoku-news/20160424/4702921.html
私、はなから今年はタイムを気にせずおさんぽ感覚で臨んだので、途中10km過ぎから早くもちょっと膝が笑いかけましたが(おさんぽ感覚であっても止まって走るの繰り返し)、昨年よりはるかに楽しい21km強でした。まだ少し桜のお花見もできましたし、長沼の緑あふれる光景はどこからみても美しいですし、体感気温も春っぽくほどほどでしたし。
そして今年もいろいろな地元食材がコースのエイドに置いてありました。さんま、めかぶ、そば、はっと汁、ほや、あかもく、ソーセージ、ふかひれスープ、みそきゅうり、わかめ餃子。どれも美味しかったです。
ゴールすると完走おにぎりに完走みそ汁、そして東北各地の日本酒試飲5枚チケット(日本酒フェスティバル)。出店もいろいろ。そして、フランスのあのメドックマラソンからの出店が今年もあり、赤ワインがタダで飲めました!
近い将来、やっぱりメドックマラソンにも参加したいですね。フルマラソンだけど(笑)
そしてゴール付近の併設屋外ステージでは、サンプラザ中野さんのプチライブもありました。みんながよく知る「ランナー」がトリの曲で、自発的に(私を含めた)多くのランナーたちがステージ前で踊って合唱して(一瞬)かなり盛り上がりました。去年もサンプラザ中野さんご招待だったそうですが、もしかすると恒例行事になる?
東北風土マラソン、やっぱり楽しいです。来年もぜひ参加します(たぶんハーフで)。みなさんもいかが?

今週、うちの施設でサイバーナイフの運用を開始いたしました。
実は数年前にもサイバーナイフを2台導入する予定だったそうなのですが、(知る人ぞ知る)たまたま薬事法違反があった時でガンマナイフに変更した経緯があったそうなのです。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/03/h0328-4.html
で今回ようやく、元々導入する予定だったもう一つの部屋にサイバーナイフの最新機種M6を設置いたしました。これまでは倉庫状態でした(笑)。
http://www.innervision.co.jp/expo/products/accuray_radiotherapy_cyberknife
当面はこれまでガンマナイフで治療を行っていた小さな脳腫瘍を中心に定位放射線治療を行う予定ですが、いずれは頸部リンパ節転移や肺や肝臓などの体幹部の小腫瘍にも適応範囲を拡大予定しています。高価なコバルト線源の問題で稼働は終了しますが既存のガンマナイフ装置はしばらくそのまま残します。
定位照射装置の展示場化しています。(事務手続きは必要ですが)医療関係者なら基本いつでも見学可能です。陽子線治療装置もBNCT装置もあります。お待ちしております。
サイバーナイフは全国的に脳外科の先生方も積極的に治療に関わっていて、学会や研究会でもいろいろな部位への治療報告がなされています。脳転移など「小さな」脳腫瘍で何カ所もサイバーナイフで放射線治療を行ってもあまり大きな後遺症が出てこないからか、体幹部でも同じように複数カ所のサイバーナイフ治療を行ったり、分割照射が可能だからか結構大きめの腫瘍に対しても脳と同様に数回の小分割照射を大胆に行ったりしているようです。
一般に放射線腫瘍医は、通常のライナックで広い範囲を何週間かかけて正常組織のダメージを気にしながら分割照射を行っていますが、サイバーナイフは主に脳外科の先生は手術で切除するのと似た感覚で組織を叩き潰すような短期間の放射線治療を体幹部腫瘍でも行っているようです。双方の「感覚」は異なる気がします。
小さな腫瘍の場合は容積効果も大きく関係しているのでしょうか、サイバーナイフは神経とか粘膜など危険臓器が高線量域に含まれていなければ体幹部であっても意外に重篤な後遺症は(少)ないらしいです。これは(うちの)陽子線治療でも同様で、再照射だとしても意外に大丈夫みたいです。けっこう人間の身体って強いなと感じています。
だからといってもちろん安全性を担保しているわけでは全くありません。発症確率が少なくても(ご本人の事前承諾なくして)後遺症を発症した場合は大きな問題になります。主治医だからと言って何をしてもいいというものではありません。当然ですが充分慎重に対処することが基本です。動物実験とは違います。
特に肺に関しては低線量域が多いと致命的な放射性肺炎を発症することがあります。当初はかなり安全と考えられていた小さな肺腫瘍に対する定位放射線治療でも致死的肺炎を起こす場合がまれにあります。特に元々間質性肺炎だった方の発症率は高いようです。
肺の患者さんを自分で入院管理を含め最後まで経過観察しない脳外科系のサイバーナイフ施設で、そこそこ大きな数カ所の肺腫瘍にサイバーナイフを行ってしまい致死的な肺炎を発症させてしまったというまことに良くない事例もあったようです。
もっともサイバーナイフに限らず、全肺に回転で低線量被ばくをさせてしまうトモセラピーなどでも同様の報告を学会などで聞くことがあります。特に抗がん剤をすでに投与されていたりする場合の肺の低線量被ばくは要注意です。あっけらかんと「肺炎起きちゃいました」と学会発表していた放射線腫瘍医もいたというとんでもない話を又聞きしたこともありました。
その点、陽子線や炭素イオン線といった粒子線治療はブラッグピークという特徴を活かして肺などの低線量被ばくを激減できるため、高リスク患者さんでも大きな問題なく治療ができるようです。間質性肺炎を併発している肺腫瘍患者さんに対して安全に陽子線治療ができたという論文が最近報告されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27090216
粒子線治療は高額であることを除けばやっぱり優れた放射線治療だと思います。もちろん100%安全であることを担保しているわけではありませんが。
ちなみに陽子線治療は今年度から全国統一プロトコールで治療が行われます。
せっかく導入したばかりのサイバーナイフなのに今回のブログでは負の側面ばかりを強調してしまった感はありますが、適した病状に対しては優れた威力を発揮することはこれまでの報告からも間違いありません。(保険適応の問題はありますが)脊髄があって充分な放射線治療がしにくい脊椎骨転移などにも大いに役立ちそうです。
安全性には充分配慮しつつ、次はうちの施設における優れたサイバーナイフの治療成果をブログでも報告させていただくつもりです。

実は数年前にもサイバーナイフを2台導入する予定だったそうなのですが、(知る人ぞ知る)たまたま薬事法違反があった時でガンマナイフに変更した経緯があったそうなのです。
http://www.mhlw.go.jp/houdou/2003/03/h0328-4.html
で今回ようやく、元々導入する予定だったもう一つの部屋にサイバーナイフの最新機種M6を設置いたしました。これまでは倉庫状態でした(笑)。
http://www.innervision.co.jp/expo/products/accuray_radiotherapy_cyberknife
当面はこれまでガンマナイフで治療を行っていた小さな脳腫瘍を中心に定位放射線治療を行う予定ですが、いずれは頸部リンパ節転移や肺や肝臓などの体幹部の小腫瘍にも適応範囲を拡大予定しています。高価なコバルト線源の問題で稼働は終了しますが既存のガンマナイフ装置はしばらくそのまま残します。
定位照射装置の展示場化しています。(事務手続きは必要ですが)医療関係者なら基本いつでも見学可能です。陽子線治療装置もBNCT装置もあります。お待ちしております。
サイバーナイフは全国的に脳外科の先生方も積極的に治療に関わっていて、学会や研究会でもいろいろな部位への治療報告がなされています。脳転移など「小さな」脳腫瘍で何カ所もサイバーナイフで放射線治療を行ってもあまり大きな後遺症が出てこないからか、体幹部でも同じように複数カ所のサイバーナイフ治療を行ったり、分割照射が可能だからか結構大きめの腫瘍に対しても脳と同様に数回の小分割照射を大胆に行ったりしているようです。
一般に放射線腫瘍医は、通常のライナックで広い範囲を何週間かかけて正常組織のダメージを気にしながら分割照射を行っていますが、サイバーナイフは主に脳外科の先生は手術で切除するのと似た感覚で組織を叩き潰すような短期間の放射線治療を体幹部腫瘍でも行っているようです。双方の「感覚」は異なる気がします。
小さな腫瘍の場合は容積効果も大きく関係しているのでしょうか、サイバーナイフは神経とか粘膜など危険臓器が高線量域に含まれていなければ体幹部であっても意外に重篤な後遺症は(少)ないらしいです。これは(うちの)陽子線治療でも同様で、再照射だとしても意外に大丈夫みたいです。けっこう人間の身体って強いなと感じています。
だからといってもちろん安全性を担保しているわけでは全くありません。発症確率が少なくても(ご本人の事前承諾なくして)後遺症を発症した場合は大きな問題になります。主治医だからと言って何をしてもいいというものではありません。当然ですが充分慎重に対処することが基本です。動物実験とは違います。
特に肺に関しては低線量域が多いと致命的な放射性肺炎を発症することがあります。当初はかなり安全と考えられていた小さな肺腫瘍に対する定位放射線治療でも致死的肺炎を起こす場合がまれにあります。特に元々間質性肺炎だった方の発症率は高いようです。
肺の患者さんを自分で入院管理を含め最後まで経過観察しない脳外科系のサイバーナイフ施設で、そこそこ大きな数カ所の肺腫瘍にサイバーナイフを行ってしまい致死的な肺炎を発症させてしまったというまことに良くない事例もあったようです。
もっともサイバーナイフに限らず、全肺に回転で低線量被ばくをさせてしまうトモセラピーなどでも同様の報告を学会などで聞くことがあります。特に抗がん剤をすでに投与されていたりする場合の肺の低線量被ばくは要注意です。あっけらかんと「肺炎起きちゃいました」と学会発表していた放射線腫瘍医もいたというとんでもない話を又聞きしたこともありました。
その点、陽子線や炭素イオン線といった粒子線治療はブラッグピークという特徴を活かして肺などの低線量被ばくを激減できるため、高リスク患者さんでも大きな問題なく治療ができるようです。間質性肺炎を併発している肺腫瘍患者さんに対して安全に陽子線治療ができたという論文が最近報告されました。
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/27090216
粒子線治療は高額であることを除けばやっぱり優れた放射線治療だと思います。もちろん100%安全であることを担保しているわけではありませんが。
ちなみに陽子線治療は今年度から全国統一プロトコールで治療が行われます。
せっかく導入したばかりのサイバーナイフなのに今回のブログでは負の側面ばかりを強調してしまった感はありますが、適した病状に対しては優れた威力を発揮することはこれまでの報告からも間違いありません。(保険適応の問題はありますが)脊髄があって充分な放射線治療がしにくい脊椎骨転移などにも大いに役立ちそうです。
安全性には充分配慮しつつ、次はうちの施設における優れたサイバーナイフの治療成果をブログでも報告させていただくつもりです。

すでにご存じの方は多いかと思いますが、4月からついに放射線治療が緩和ケア病棟の包括払いからの除外項目となります!
とても長い文書ですが来年度の診療報酬改定項目で、p.202-203 「緩和ケア病棟における在宅療養支援の充実」に『入院中の放射線治療を別に算定できることとする』という文言が新設 されました。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000111307.pdf
これで保険診療で認められている放射線治療は全て出来高算定となります(追記:転移性骨腫瘍に対するメタストロン®:ストロンチウム-89など核医学系の一部放射性同位元素治療を除く)。こんな大事な話題を発表から1ヵ月以上もブログの話題にせず放置していました。
申し訳ございません。
去年の今頃、『緩和ケア病棟で緩和的放射線治療を行うと「損をする」?』と題したブログを書いておりました。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-127.html
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-132.html
ブログ記載の繰り返しになりますが、
『放射線治療というのはDPCの対象外、追加料金でオーダーできる出来高算定設定の特別治療です。つまり「一般病室に」入院していようが、外来通院であろうが、セットメニューとは別料金設定(つまり放射線治療を行った分だけDPC料金に上乗せ請求が可能)となっています。
一方で、「より高額な」緩和ケア病棟入院料が算定されている患者さんは一般病棟のDPCとは別扱いで、放射線治療も出来高算定ではなく包括化されています。』
今月まで。
以前、NPO法人HOPE★プロジェクト理事長である桜井なおみさんから、次のようなお話を伺ったことがありました。
『緩和ケア病棟への入院に際し、化学療法や放射線治療の併用は行わない旨の同意書を提出するケースがあり、患者、家族から相談を受けます。診断時からの緩和ケアという言葉ばかりで、実際には患者さんや家族からツライ、ツライ決断でしたと涙されることが多々あります。ご遺族の声で一番トラウマになっているのです、この署名。』
ちなみにHOPE★プロジェクトさんのビジョンは「私たちは、がんサバイバーのみならず、ハンディキャップを負う全ての人々を受け入れ、力づける一方、 それぞれが生きる意欲や能力を十分に発揮できる協働・共生型社会の建設に貢献します。」
素晴らしいご活動だと思います。
緩和ケア病棟への入院に際し、そのような同意書にサインをしなければ利用できないなどという明確な法的規制は(たぶん)なく、単に病院側の勝手なローカルルールでしょう。ですが、順番待ちでようやく転科転院できるようになった多くの方にとっては、やむを得ずその病棟の方針に従わざるを得ないのだろうと思います。
その大きな理由の一つであっただろう月150万円の包括分からすればたった8万円の放射線治療代。4月からようやくその敷居が外されます。
それでも放射線「治療」はしないと相変わらず考え続ける緩和の先生もいらっしゃるかもしれません…。緩和ケアの先生方が以前からよく言われていた「緩和と治療の間の線引き」というものを緩和ケアの先生方自身も是非しないでほしいものです。
そして、この改定をご覧になってまさか「緩和ケア病棟の患者さんまで手を広げる(照射人数を増やす)のは自分の首を絞めるようなもの」みたいなご発言をなさる放射線腫瘍専門医はいらっしゃらないであろうと信じたい所です。
いやしかし、(こんな遅れての投稿にはなりましたけど)個人的な念願の一つがついに叶いました。日本放射線腫瘍学会健保委員の先生方、本当にありがとうございました!
PS:残念ながら私が現在所属する病院って緩和ケア病棟がないんですよね。
ちょっと遠めなのですが、緩和ケア病棟はあるけど放射線治療設備のない病院からの緩和的放射線治療ご依頼を待つばかり。施設移動、やっぱり大変かなあ…?

とても長い文書ですが来年度の診療報酬改定項目で、p.202-203 「緩和ケア病棟における在宅療養支援の充実」に『入院中の放射線治療を別に算定できることとする』という文言が新設 されました。
http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-12404000-Hokenkyoku-Iryouka/0000111307.pdf
これで保険診療で認められている放射線治療は全て出来高算定となります(追記:転移性骨腫瘍に対するメタストロン®:ストロンチウム-89など核医学系の一部放射性同位元素治療を除く)。こんな大事な話題を発表から1ヵ月以上もブログの話題にせず放置していました。
申し訳ございません。
去年の今頃、『緩和ケア病棟で緩和的放射線治療を行うと「損をする」?』と題したブログを書いておりました。
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-126.html
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-127.html
http://mccradonc.blog.fc2.com/blog-entry-132.html
ブログ記載の繰り返しになりますが、
『放射線治療というのはDPCの対象外、追加料金でオーダーできる出来高算定設定の特別治療です。つまり「一般病室に」入院していようが、外来通院であろうが、セットメニューとは別料金設定(つまり放射線治療を行った分だけDPC料金に上乗せ請求が可能)となっています。
一方で、「より高額な」緩和ケア病棟入院料が算定されている患者さんは一般病棟のDPCとは別扱いで、放射線治療も出来高算定ではなく包括化されています。』
今月まで。
以前、NPO法人HOPE★プロジェクト理事長である桜井なおみさんから、次のようなお話を伺ったことがありました。
『緩和ケア病棟への入院に際し、化学療法や放射線治療の併用は行わない旨の同意書を提出するケースがあり、患者、家族から相談を受けます。診断時からの緩和ケアという言葉ばかりで、実際には患者さんや家族からツライ、ツライ決断でしたと涙されることが多々あります。ご遺族の声で一番トラウマになっているのです、この署名。』
ちなみにHOPE★プロジェクトさんのビジョンは「私たちは、がんサバイバーのみならず、ハンディキャップを負う全ての人々を受け入れ、力づける一方、 それぞれが生きる意欲や能力を十分に発揮できる協働・共生型社会の建設に貢献します。」
素晴らしいご活動だと思います。
緩和ケア病棟への入院に際し、そのような同意書にサインをしなければ利用できないなどという明確な法的規制は(たぶん)なく、単に病院側の勝手なローカルルールでしょう。ですが、順番待ちでようやく転科転院できるようになった多くの方にとっては、やむを得ずその病棟の方針に従わざるを得ないのだろうと思います。
その大きな理由の一つであっただろう月150万円の包括分からすればたった8万円の放射線治療代。4月からようやくその敷居が外されます。
それでも放射線「治療」はしないと相変わらず考え続ける緩和の先生もいらっしゃるかもしれません…。緩和ケアの先生方が以前からよく言われていた「緩和と治療の間の線引き」というものを緩和ケアの先生方自身も是非しないでほしいものです。
そして、この改定をご覧になってまさか「緩和ケア病棟の患者さんまで手を広げる(照射人数を増やす)のは自分の首を絞めるようなもの」みたいなご発言をなさる放射線腫瘍専門医はいらっしゃらないであろうと信じたい所です。
いやしかし、(こんな遅れての投稿にはなりましたけど)個人的な念願の一つがついに叶いました。日本放射線腫瘍学会健保委員の先生方、本当にありがとうございました!
PS:残念ながら私が現在所属する病院って緩和ケア病棟がないんですよね。
ちょっと遠めなのですが、緩和ケア病棟はあるけど放射線治療設備のない病院からの緩和的放射線治療ご依頼を待つばかり。施設移動、やっぱり大変かなあ…?
